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氏家:劇団on G主宰の氏家です。よろしくお願いします。
天野:各所に見られるぞんざいさっていうのは、相当計算してやってるわけですか?
氏家:計算してるといえばしてるんですけど、結構練習時間が短かかったてのもあります。大体は僕の学校の友達とかを呼んで、演劇的なびしっと決まる癖のない人とかを呼んでエキストラをやらせて。それでメインキャストは演劇やってる人でって、温度差を出そうと思ってやってます。
天野:覆面というか、袋というのは個人個人の個性を出そうとして、一人ずつにまかせたんですか? 破れ方とか、ビニールが見えてるとか。
氏家:そうですね。結果的には計算のうちにいれちゃってるんですけど。黒子っていうか影の存在なんで、統一感と目立たなさを重視してるんですけれど。ある程度勝手に動いちゃう場所があって、そういうことが目のあき方とかに現れちゃったと思います。
ウニタ:多分、そのぞんざいさっていうのは、説明不足感だと僕は思って、その説明不足さが非常に面白く笑えた。小道具とか衣装は、作品のために用意したんじゃなくて、先に物が手近な所にあったから、それを使って話を作ろうみたいな感じなんじゃないですか?
氏家:大体そうです。あのスーツとかは誰でも持ってる黒い服なんで。黒子専門の服はちょっと高いから。
ウニタ:そうなんですよね。その身近なものを集めて作っている結果、風景としては非常にシュールな形になっていて、それが良かったです。
堤:配られてるプログラムを読むと、小劇場界の歌舞伎を目指し、気楽な構成、叫びどころを用意するなどお客さんとの一体化を研究しているとある。今のプレゼンテーションを見る限り、そういう印象を持たなかったんですが?
氏家:あ、はい。僕は歌舞伎の気楽さが好きなんですけど、気楽にお客さんが声かけるとかできたらいいなって。まだ研究途中なんですけど。それで、10分ていう制約じゃなければ、お客さんに元々お願いすることとか作ったりして。一回のこのプレゼンテーションでそれをやるのは無理だと思って、今回はまあ、こういう風にネタ的なものだけを集めてやった感じです。
堤:ということは普段の公演では、お客さんと一緒になって盛り上がるような仕掛けを?
氏家:そうですね。まだ仕掛けっていっても、手を叩いてもらうとか、声を出してもらうとか、まだその程度なんですけど。今回やったような話もあり、お客さんがこの中の登場人物になり、一緒に何か叫びみたいな。
堤:それはお客さんを舞台にあげちゃうってこと?
氏家:あげるわけじゃないんです。この場でいいんですけど。ここを大体全部舞台に出来たらいいな、みたいなイメージを持って色々考えておりまして。まだ出来てない部分が多いと思います。
ウニタ:今日のパンフでお客さんに叫んで欲しいって書いてあるのは、かけ声って事ですよね。なんとか屋みたいな。
氏家:ああ、そういうことですね。自分がすごいやっちゃうんですよね、芝居で。それですごい制作さんに怒られたりする。
ウニタ:普通の芝居でかけ声をかけちゃうの?
氏家:かけ声じゃないんですけど、なんか、赤い人とか出てきた時に、「あけー」とか叫んじゃうんですよね。で、すごいイヤな顔されるので、申し訳ないと思いつつもそういう芝居があったらいいなって。
ウニタ:多分、見栄とかきるといいと思うんですよね。戦いのシーンとかでね。あと、サクラを仕込ませとくといい。そうするとだんだん他の客もなじんできて。ぜひ、その方向を突き詰めて欲しい。
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