G8-004
高校時代の国語の時間に習った中島敦の小説、『山月記』は今でも忘れられない。「隴西(ろうさい)の李徴(りちょう)は博学才穎(さいえい)、天宝の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉(こうなんい)に補せられたが、性、狷介(けんかい)、自ら恃(たの)むところ頗(すこぶ)る厚く、賤吏(せんり)に甘んずるを潔しとしなかった。いくばくもなく官を退いた後は、故山、虢略(かくりゃく)に帰臥し、人と交(まじわり)を絶って、ひたすら詩作に耽った……」名文ですね。李徴は詩作に失敗して虎になるという話。その孤独な虎が忘れられない。
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