大原大次郎・田中義久 二人展
描き文字をはじめとするタイポグラフィを基軸とした表現で、音楽関連のデザインワークや広告といったクライアントワークに従事する一方、モビールによるタイポグラフィのプロジェクトや、自然との対話のなかで文字の原型を探るアートワークなど、独自のスタンスで、言葉と文字の知覚を探るプロジェクトに取り組む大原大次郎。
国内外アーティストの作品集デザインをはじめ、美術館やコマーシャルギャラリーのVI計画、芸術祭や展示会のアートディレクションを手掛け、アーティストデュオ「Nerhol」としても活動。出版社やギャラリースペースなど、自らがそのプロジェクトの構想、企画、運営に携わる田中義久。
活動の領域は異なるものの、その表現手段、方法論を独自の文脈で深め、同時代のデザイナーとしてキャリアを重ねてきた大原と田中。そのふたりが今回の展覧会で、それぞれのなかにあるデザインの本質を、互いに読み解いてみようという試みを行います。お互いを研究対象の素材とし、「身体」と「生態」という切り口をもとにそれぞれを解剖。そのリサーチによって生み出された成果物とプロセスを展示します。この行為から現れるふたりのデザインの正体とは。
彼らによる実践に、みなさまもどうぞ立ち会ってみてください。
#大原の身体田中の生態 twitter更新中
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大原の身体と田中の生態。そのデザインの正体とは。
表紙、背、小口、本文、重みや質感、置かれている空間や佇まい。
田中義久がデザインしてきた本の生態を、大原大次郎が描写する。
本の肖像群と、本に関わる出版社や印刷所などの制作環境を定点観測し、そのリサーチプロセスを進行形で公開していく。
一方、田中義久は大原大次郎の行為を収集する。
山形、徳島、葉山など、大原がレジデンスした先で採集してきたマテリアルの抽出や、行為の中に内在する身体性を考察し、変容させることで紙へと集約する。
墨流し、落水など、手漉きの技法と作用させながら、多様な色彩や質感を集積、身体の痕跡に満ちた和紙には、文字や図像とは異なる視覚原理を内包し、新たな生態系を予見させる。