タイムトンネルシリーズVol.31
タイムトンネルシリーズは、第一線で活躍するクリエイターのデビュー当時の作品にスポットをあて、その発想や表現方法の原点を探る展覧会です。
31回目の今回は、アートディレクター・グラフィックデザイナーの奥村靫正氏にお願いしました。
1970年代初め、WORKSHOP MU!!のメンバーとして、眞鍋立彦氏と中山泰氏とともに、はっぴいえんどやサディスティック・ミカ・バンドなど、日本のロックミュージックの黎明期のレコードジャケットを数々手がけた奥村氏。その後、YMOのレコード、ポスター、映像、ステージ、CMなどのアートディレクションを担当、鮮烈なビジュアルを次々に送り出し、日本の音楽シーンに多大なる影響を与えました。1989年からは、いち早くコンピュータを駆使したグラフィック表現による実験的な作品、そして幼少期から学んだ日本画の画力を活かした作品など、その手法やアプローチは多様ながら、幼い頃から培った審美眼とアーティスティックなデザイン表現は、唯一無二の存在といえます。近年では、篠山紀信氏の写真集『ATOKATA』ブックデザインや、細密な線画による「ヒロシマ・アピールズ 2012」ポスター制作など、新たなアプローチを続ける奥村氏。
タイトルの「奥村祭り」は、独立後、1982年に初めてADC賞を受賞した氏を祝う会の名前から。それから31年を経て開催する2回目の「奥村祭り」は、二会場にわたって、デビュー当時から現在まで、奥村デザインの魅力に迫る展覧会です。
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展示内容
奥村氏のデビュー当時から現在に至るまでを二会場にわたりご紹介します。
[第一会場] クリエイションギャラリーG8
新作、近作を含めたポスターと、ムーンライダーズ、YMO、チェッカーズなど音楽関係の仕事からレコードジャケットや書籍、ステージデザインの模型などを展示します。
[第二会場] ガーディアン・ガーデン
書籍や雑誌、プロダクト、広告など、これまで手がけたグラフィックデザインを一堂に集め、氏の多彩な表現と手法をご紹介します。あわせて印刷物の原画や版下も展示します。
奥村靫正インタビュー小冊子
今回の展覧会開催にあたり、幼少時代から現在にいたるまで、また、デザインに対する思いなど語っていただきました。 A5サイズ モノクロ約60ページ 500円