PIXELSCAPE
ここ数年、デザインの制作はすべてコンピュータ上で行っていますが、紙や絵の具に頼らないでデザインの形そのものに直接触るかのように仕事ができる環境は大変心地いいものです。もともとグラフィックデザインは視覚情報そのものがデザインの対象であり、私はデジタルデータで記述される形にこそ、ある種の純粋性を感じるわけです。一方で印刷術への愛情も尽きません。インクと紙の織りなす存在感にはコンピュータの画面とは全く違った魅力を感じます。
今回の展覧会のための作品の多くは、デジタルデータのもつ純粋さを画像の構成単位である四角いピクセルの集合に託して印刷することで、紙やインクの存在感とデータとの間にある本当のリアリティのようなものを探しだす試みなのかもしれません。単なるデータのプリントアウトではなく、あくまで紙に印刷された状態が最終作品であるという思いもあり、ポスターという形式に定着しました。豊かな表現の自在さをもつデジタルフォントによるタイポグラフィ作品群、近作ポスターとあわせて見ていただくことで、少しだけ私のデザインの未来への方向性を予感していただければ光栄です。
杉崎真之助
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展示内容
1990年以降のポスター作品を中心に、新作もあわせて50点、デジタルタイポグラフィのシリーズとして100アイテムを展示。
主催
クリエイションギャラリーG8
協賛
寿精版印刷株式会社 株式会社竹尾 株式会社モリサワ
協力
松下電器産業株式会社