マイケル・ジョンソン率いるジョンソン・バンクスは、事務所の規模はけっして大きくないものの、英国政府やRoyal Mail (英国郵政公社)といった、国家規模のクライアントを持ち、また、国外でも幅広い活動を展開する英国屈指のクリエイティブ・デザイン事務所として高く評価されています。
彼らにとってのアートディレクションとは、クライアントが抱えている問題点を、デザインの力で解決することであり、「独自のスタイルを持つことに興味はない。私たちの仕事はクライアントの思いを伝えることであって、混乱させることではない。」と、様々な手法で、常に新鮮な、受け手に理解されるデザインを考え提案し続けています。
彼らはコミュニケーションを言葉とイメージの相互作用、コンビネーションと謳い、言葉、時にはユーモアを作品の中に取り入れながら、ビジュアルを含めてのコミュニケーションを提案し続けています。 会場では、ポスターをはじめ、切手、電話帳から不動産に至るまで、デザインによって巧みにコミュニケーションする作品の数々を解説を交えて展示いたします。
展覧会によせて
グラフィック・デザインの世界的な中心地はどこかと聞かれれば、私はロンドン、ニューヨーク、東京と答えます。これらの都市にはデザインの伝統が強く息づいています。初の単独エキシビションが、東京で開催されることになり、本当にうれしく思います。 ポスターアートはもう終わりだと言う人もいますが、私はまだまだ活気にあふれていると思っています。毎年手掛ける、業種も異なる様々なクライアントへの膨大な作品数がそれを物語っており、展覧会でも多種多様なポスターで壁一面を埋め尽くす予定です。チャリティ団体や政府機関向けの小規模プロジェクトからロンドンやパリのクライアント向けの巨大地下鉄ポスターまで、デザインの規模は色々ですが、私にとって一枚のポスターでクライアントの課題を伝えること以上に挑戦しがいがあるものはありません。私たちはどんなに大規模なブランド・プロジェクトに携わるときでも、必ずポスターから取り掛かることにしています。ポスター以外には、企業ロゴ、書籍デザイン、さらにRoyal Mail への作品も展示する予定です。
Royal Mail へはシールタイプの切手をデザインしました。手紙の送り主が、ベースとなる野菜や果物に目や口などのパーツを自由に選んで貼ることで、自分だけのオリジナル切手をデザインすることができるので、昨年の発売開始以来大変な人気です。実現までに何年もかかりましたが、それだけのことはあったと思います。是非、日本の皆さんにも見ていただきたいです。
マイケル・ジョンソン
DesignUKとは
駐日英国大使館とブリティッシュ・カウンシルがブリティッシュ・デザイナーの才能に焦点をあて、 日英のデザイナーの交流、デザインビジネスのさらなる活性化を目的に、10月一ヶ月にわたり展覧会や セミナーなど様々なデザイン関連のイベントを開催し、英国デザインの創造性を広く紹介するキャンペーン。
駐日英国大使館ホームページ