第9回亀倉雄策賞受賞展
1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、1999年、亀倉雄策賞が設立されました。この賞の運営と選考は社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が行い、毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品に対して贈られます。第9回となる今回は、松永真氏による「ISSIMBOW “Katachi-koh”」に決定しました。「カンチューハイ」や「スコッティ」、「ウーノ」など、長きに渡り人々に愛されるヒット商品のデザインを数多く生み出してきた松永真氏が、新たに手がけるビジュアル主導型のブランド「ISSIMBOW(イッシンボウ)」。これは、日本最古の医学全書『医心方(いしんほう)』から名付けられ、「ウェルネス」をテーマに、人にやすらぎや、健康的な生活を提案していくプロジェクトです。松永氏は、このプロジェクトを進めるにあたり、企画コンセプトをビジュアル主導で伝えるため、B倍ポスター2種を制作。これがキービジュアルとなり、今後、さまざまな商品やサービスへと発展させていくという計画です。その第一弾として今春登場する「Katachi-koh(形香)」は、“健”、“美”、“活”のコンセプトを青、赤、黄の三色で展開させた、色鮮やかなパッケージデザインのお香。外装のデザインはもとより、中身の香の形や色など細部にまで氏のデザインが行き届いた製品のクオリティと完成度に高い評価が集まり、今回の受賞となりました。
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展示内容
キービジュアルとなるB倍ポスター(2種)から始まり、そこから派生したグラフィック、パッケージ、映像など、受賞作を含む「ISSIMBOW」の一連のデザインワークを紹介。また、これまでに制作した数々のポスターの中から代表作約30点を選んで展示します。
亀倉雄策賞について
1997年急逝した亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として遺族の寄付により設立された亀倉雄策賞。亀倉が設立から長く会長を務めたJAGDA(社団法人日本グラフィックデザイナー協会)に運営を一任し、毎年国内賞「亀倉雄策賞」を、さらに3年に一度「亀倉雄策国際賞」を授与する。「亀倉雄策賞」は『Graphic Design in Japan』応募作品の中から、「亀倉雄策国際賞」は富山県立近代美術館で開催される「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」の応募作品の中から、最も優れた作品の制作者を表彰するもの。「いつになっても東京オリンピックの亀倉と呼ばれること」を嫌い、亡くなる直前まで「今」の仕事で若い世代と競い、グラフィックデザイン誌『クリエイション』の編集を通じて、グラフィックデザインの芸術性、本質を追求した亀倉の遺志を尊重し、普遍性と革新性をもったグラフィックデザインを顕彰していく。賞金はいずれも50万円。賞状は佐藤卓によるデザイン。
<これまでの亀倉賞受賞者>
第1回 田中一光
第2回 永井一正
第3回 原研哉
第4回 佐藤可士和
第5回 仲條正義
第6回 服部一成
第7回 勝井三雄
第8回 受賞者なし ※全て敬称略