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展覧会・イベント

第10回亀倉雄策賞受賞記念

佐藤卓展

  • 会期:2008.3.31 月 - 4.25 金
  • 時間:11:00a.m.-7:00p.m(水曜は8:30p.mまで) 土曜・日曜・祝日休館 入場無料

1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、1999年、亀倉雄策賞が設立されました。この賞の運営と選考は社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が行い、毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品に対して贈られます。
第10回となる今回は、佐藤卓氏の“21_21 DESIGN SIGHT 第2回企画展「water」のVI、ポスター、会場デザイン”に決定しました。
佐藤卓氏は、「ロッテ ミントガムシリーズ」「明治おいしい牛乳」「NTTドコモP701iD」などの商品デザインのほか、美術館などのVIデザイン、NHK教育テレビ「にほんごであそぼ」の企画メンバーおよびアートディレクションなど、幅広く活躍しています。佐藤氏がディレクターを務めた “2_21DESIGN SIGHT 第2回企画展「water」(2007年10月5日〜2008年1月14日開催)”は、 2年前より、文化人類学者、写真家、照明デザイナーなど多分野で活躍する人々とチームを結成し、リサーチやディスカッションを重ねた成果をまとめあげたものです。
人類共通のテーマ「水」という難しいテーマを楽しく構成したディレクション力、世界に共通するオリジナリティ、展覧会への来場者数や世の中への影響度などが高く、デザインの可能性を感じさせるマイルストーン的な仕事として評価を受け、今回の受賞となりました。
この受賞を記念して個展を開催し、その初日に授賞式を執り行います。

  • ポスター

  • ロゴ

  • 「水の器」
    Photo:Masaya Yoshimura/Nacasa&Partners Inc.

  • 「水の便り」
    Photo:Masaya Yoshimura/Nacasa&Partners Inc.

  • 「猫の傘」「ねずみの水滴」
    Photo:Masaya Yoshimura/Nacasa&Partners Inc.

佐藤卓

グラフィックデザイナー。「ロッテ キシリトールガム」「明治おいしい牛乳」などの商品デザイン、ブランディング、博物館や美術館のVI、企業のCIを手がけるほか、21_21 DESIGN SIGHTのディレクターも務めるなど、活動は多岐にわたる。

展示内容
water展受賞対象作品の展示に加え、2004年に発表した紙の積層技術を活かした「紙の化石」を、さらに発展させた新たな作品の発表。そして、パッケージメディアの今後の可能性を示す立体物投影の実験を、会場で試みます。

亀倉雄策賞について
1997年急逝した亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として遺族の寄付により設立された亀倉雄策賞。亀倉が設立から長く会長を務めた社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)に運営を一任し、毎年国内賞「亀倉雄策賞」を、さらに3年に一度「亀倉雄策国際賞」を授与する。「亀倉雄策賞」は『Graphic Design in Japan』応募作品の中から、「亀倉雄策国際賞」は富山県立近代美術館で開催される「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」の応募作品の中から、最も優れた作品の制作者を表彰するもの。「いつになっても東京オリンピックの亀倉と呼ばれること」を嫌い、亡くなる直前まで「今」の仕事で若い世代と競い、グラフィックデザイン誌『クリエイション』の編集を通じて、グラフィックデザインの芸術性、本質を追求した亀倉の遺志を尊重し、普遍性と革新性をもったグラフィックデザインを顕彰していく。賞金はいずれも50万円。賞状は佐藤卓によるデザイン。

〈これまでの亀倉賞受賞者〉
 第1回 田中一光 第2回 永井一正 第3回 原研哉 第4回 佐藤可士和 第5回 仲條正義
 第6回 服部一成 第7回 勝井三雄 第8回 受賞者なし 第9回松永真 

主催
クリエイションギャラリーG8

共催
社団法人日本グラフィックデザイナー協会 亀倉雄策賞事務局

協力
株式会社キラ・コーポレーション 富士ゼロックス株式会社 有限会社ウォンバット

受賞のことば
私の世代が、亀倉雄策さんと接することができた最後の世代になるのでしょう。私が初めてJAGDAの年鑑選考委員になって、選考会場に足を運んだ時のこと。錚々たる方々がいらっしゃる中、亀倉さんが私に「君が選考委員なのか?」と微妙な表情で一言おっしゃったのを、今でもその広い会場の雰囲気と共に鮮明に思い出します。その言葉の意味が、「若い世代が委員に入ってきて喜ばしい」ということなのか、「君のような実力で委員になれるようなJAGDAでは、もう終わりだな」なのかまったく読めず、不安のまま選考に臨んだことを覚えています。今思えば、もちろん後者であったことは間違いありません。
亀倉さんとの最初の出会いは六本木のアクシスで初めて個展を自主的に開催した1990年に遡ります。僭越にも来場していただくなど無理であることを承知の上、展覧会のお知らせを亀倉さんに送らせていただいたのですが、ある日、突然会場に立ち寄られたのです。それはそれは突然の出来事で、大事件でした。事務所で仕事をしていた私は、会場にいるスタッフから電話が入り、そのことを知りました。「大変です。今、亀倉さんが来られています!」。私は「なんとか亀倉さんを引き止めておいてくれ」と酷なことをスタッフに伝え、タクシーに飛び乗りました。そして会場に着くと亀倉さんがいらっしゃるではありませんか。「あ、あの教科書に載っていた亀倉雄策が今、自分の目の前にいる」。呼び捨てにするほど遠い存在だった亀倉さんに対して、まずお会いしてすぐ自己紹介をし、作品の説明をしたかと思うのですが、たぶんかなりしどろもどろになっていたはずで、何を喋ったかまったく記憶していません。そして亀倉さんが帰られてから、何か粗相はなかったか、失礼にあたる言葉は使わなかったか、心配で自分の言動を思い出しながら確認したくらいでした。なぜかそれは覚えているのです。そのくらい、接点があったと言っても、あまりにも雲の上の方だったのです。
ここに亀倉雄策賞をいただくことになって、その当時の緊張感を思い出しました。そして、広くデザインの可能性を拡張することに意識が向かっている中、今一度、「グラフィックデザイン」を考えるきっかけを今回の受賞が与えてくれたことに感謝いたします。受賞の対象になりましたwater展は、多くの方々の参加で開催されたものです。ここに参加された皆様に重ねて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。