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展覧会・イベント

第17回亀倉雄策賞受賞記念 

佐野研二郎展「黒に白 MR_BLACK & WHITE」

  • 会期:2015.3.3 火 - 4.2 木
  • 時間:11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料

1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、1999年、亀倉雄策賞が設立されました。この賞の運営と選考は公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が行い、毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品とその制作者に対して贈られます。
第17回は、佐野研二郎氏の、デザインイベントの企画展出品ポスター「HOKUSAI_LINE」に決定しました。
佐野氏は、博報堂を経て、2008年にMR_DESIGNを設立。トヨタ「ReBORN」「TOYOTOWN」や、サントリー「南アルプスの天然水」「グリーンダカラちゃん」など数々の広告をはじめ、日光江戸村「ニャンまげ」、TBS「ブーブくん」、KDDI「LISMO!」などのキャラクターデザインや、映画の広告媒体における一連のアートディレクション、プロダクトデザイン、絵本の出版など、手がけた仕事は多岐に渡り、親しみのわくチャーミングなデザインで次々と話題を集めてきました。
今回の受賞作品は、東京デザイナーズウィーク2014の「北斎漫画インスパイア展」に出品されたポスター。北斎のドローイングの骨格をシンプルな線で捉え、その造形性をトレースしたものです。明快でポジティブな強さといった印象を与えてきたこれまでの佐野氏の作品。それらに加え、繊細さも合わせ持つ本作品は、「佐野氏のこれまでとは違う新たな一面が見られる」、「細やかで不思議な表現」と高く評価されました。
この受賞を記念して個展を開催いたします。

  • 第17回亀倉雄策賞受賞作品「HOKUSAI_LINE」

佐野研二郎

1972年東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。博報堂を経てMR_DESIGN設立。 多摩美術大学統合デザイン学科教授。MR_DESIGN_NEWYORK設立。
主な仕事に、東京国際映画祭ロゴマーク、サントリー「南アルプスの天然水」「グリーンダカラ」 「BOSS」、トヨタ「NEXT ONE」「ReBORN」「TOYOTOWN」、日光江戸村「ニャンまげ」、 TBS「Tブー!S」、映画「STAND BY MEドラえもん」、ミツカン「とろっ豆」、NHK Eテレ 「ふうせんいぬティニー」、山形県新米「つや姫」、幻冬舎「パピルス」、au「LISMO!」、ルミネ 「チェックザバーゲン」、mAAchエキュートロゴマーク、名古屋市東山動植物園ロゴマークなどがある。 オリジナルプロダクトであるnicoプロダクト、地球ゴミ袋、浴室に貼るポスターBATH ARTは MoMA/ニューヨーク近代美術館、The Standard(NY)、ラ・リナシェンテ(ミラノ)、コレット (パリ)、パリ装飾美術館、森美術館、原美術館、金沢21世紀美術館など世界各国で展開。
受賞に、毎日デザイン賞、ニューヨークADC金賞、ロンドンD&ADイエローペンシル、ONE SHOW DESIGN金賞、カンヌライオンズ金賞、東京ADC会員賞、日本パッケージデザイン大賞金賞、 ACC金賞、ACCタレント賞(グリーンダカラちゃん)、みうらじゅん賞(ニャンまげ)など。

受賞のことば
いいたいことはたくさんあるが、
それはデザインで還す。

亀倉雄策の仕事で一番好きなのは1964年の東京オリンピックのエンブレムだ。シンプルで力強く、唯一無二のデザイン。いつの日かこのようなシンプルで骨太な仕事がしてみてみたい、と思うようになった。ニッポンを、世界を、あっといわせる仕事。一生に一度でいいからそういうデザインをしてみたい。シンプルであること。明快であること。太くあること。Simple. Clear. Bold. ある日から僕のデザインの指針となった。デザインとはなんだ。デザインにはなにができる。そういう自問自答を繰り返した。去年、あるきっかけがあり、亀倉雄策の本を読み漁った。そしてその本にあったポートレイトを見るとちょっと怒っているような、(まだだめだ)といわれているような気がしたのでまた長いデザインの旅にでた。それがあるとき再びそのポートレイトを見るとすこし微笑んでくれた気がした。その後まもなく、まさかの受賞の電話がかかってきた。
忙しいなんて絶対に口にしない。言い訳はいわない。目の前の画面は世界に確実につながっている。デザインはシンプルで深い。考え、それを超えるべく手を動かし、また考え、また手を動かす。邪念はいらない。デザインは思想だ。簡単に。深く。明快に。太く。でも簡単に。ストレスはある。でもいつも朗らかである。そういうデザイナーでありたい。デザインの道はまだまだ続くのだ。負けない。僕には亀がついている。亀はゆっくり、確実にやってくる。

佐野研二郎

主催
クリエイションギャラリーG8

共催
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 亀倉雄策賞事務局

亀倉雄策賞について
1997年に急逝した亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として遺族の寄付により設立された亀倉雄策賞。亀倉が設立から長く会長を務めた公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)に運営を一任し、毎年国内賞「亀倉雄策賞」を、さらに3年に一度「亀倉雄策国際賞」を授与する。「亀倉雄策賞」は『Graphic Design in Japan』応募作品の中から、最も優れた作品とその制作者を、「亀倉雄策国際賞」は富山県立近代美術館で開催される「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」の応募作品の中から、国際性と普遍性の高い、優れた作品とその制作者を表彰するもの。「いつになっても東京オリンピックの亀倉と呼ばれること」を嫌い、亡くなる直前まで「今」の仕事で若い世代と競い、グラフィックデザイン誌『クリエイション』の編集を通じて、グラフィックデザインの芸術性、本質を追求した亀倉の遺志を尊重し、普遍性と革新性をもったグラフィックデザインを顕彰していく。賞金はいずれも50万円。賞状は佐藤卓によるデザイン。

これまでの亀倉雄策賞受賞者
第1回 田中一光/第2回 永井一正/第3回 原 研哉/第4回 佐藤可士和/第5回 仲條正義/第6回 服部一成/第7回 勝井三雄/第8回 受賞者なし/第9回 松永 真/第10回 佐藤 卓/第11回 植原亮輔/第12回 浅葉克己/第13回 受賞者なし/第14回 澁谷克彦/第15回 平野敬子/第16回 葛西 薫 ※全て敬称略

授賞式
2015年6月26日(金)東京にて実施予定〈2015年度JAGDA通常総会会場〉

作品発表
年鑑『Graphic Design in Japan 2015』(2015年6月発行予定/六耀社刊/予価16,200円)