2002年に設立され、佐藤オオキ氏が代表を務めるデザインオフィス、nendo(ネンド)。
「日常の小さな“!”を感じてもらうこと」をコンセプトに、建築、インテリア、プロダクト、グラフィック等、幅広く活動を展開し、作品は、ニューヨーク近代美術館、ポンピドゥーセンターをはじめ、世界の主要美術館に多数収蔵されています。また、佐藤氏がデザイナーを志すきっかけとなった、世界最大規模のデザインの祭典、ミラノサローネには、2003年以降毎年出展し、国内外で高い評価を得ています。
今回、クリエイションギャラリーG8で開催するnendoの展覧会は、「紙」をテーマにした新作を発表します。主にグラフィックデザインを企画している当ギャラリーで展示をするにあたり、佐藤氏は「ポスターのないポスターの展覧会」というアイデアを考えました。グラフィックデザイナーが紙と向き合って何かを表現するように、別のアプローチで紙と向き合おうと、紙の「リンカク」のみを抽出し、紙を使わずに「紙」を表現した「un-printed(印刷をしていない)material(物質)」展。会場では、紙を丸めたり、折ったりした後に残る「クセ」や、破れた切り口の表面が層状に剥離した痕跡など、そのわずかな表情を捉えて丁寧に表すことで、誰もが一度は感じたことがある「紙らしさ」の表現を試みます。
デザイナーのみならず、誰でも日常であたりまえに触れる「紙」の存在を、輪郭から捉えた展覧会は、わたしたちに紙の記憶やイメージを喚起させてくれることでしょう。そして、ものの見方を変えることや観察することで生まれる、楽しさ、豊かさに気づく機会になればと考えています。
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展示内容
紙の「リンカク」のみを抽出して「紙」を表現したポスターやハガキサイズの作品を中心に展示。あわせてモチーフのヒントとなるアニメーション映像などもご紹介。