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展覧会・イベント

第19回亀倉雄策賞受賞記念 

渡邉良重展 「絵をつくること」

  • 会期:2017.4.4 火 - 5.20 土
  • 時間:11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日と4月29日(土)〜5月7日(日)は休館 入場無料

1997年に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として、1999年、亀倉雄策賞が設立されました。この賞の運営と選考は公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)が行い、毎年、年鑑『Graphic Design in Japan』出品作品の中から、最も優れた作品とその制作者に対して贈られます。

第19回は、渡邉良重氏による洋菓子のパッケージデザイン「AUDREY」に決定しました。
アートディレクター、グラフィックデザイナーとして、自ら手がけるイラストレーションを主体に、独自の世界観で作品をつくり出す渡邉氏。広告、パッケージ、テキスタイルや、「D-BROS」をはじめとする商品デザイン、「CACUMA」の洋服のデザイン、絵本など、様々なプロジェクトを手がけています。

受賞作は、日本各地から厳選したいちごを主役に、世界のチョコレートを使ったスイーツ専門店の一連のパッケージ。選考会では、「渡邉氏の作品が、かつての『個』の表現から、近年、時代を象徴するデザイン表現に変わってきている」、「文字や余白の白を生かしたデザインが氏のイラストレーションの世界観を一層引き出している」など、高く評価されました。この受賞を記念して個展を開催いたします。

会場では、受賞作「AUDREY」のパッケージとともに、これまで渡邉氏が手がけてきたイラストレーションの仕事や作品を展示します。物語を紡ぐようにつくり続ける渡邉氏の繊細で強い絵、そしてデザインの世界を、ぜひご覧ください。

受賞作:「AUDREY」のパッケージデザイン

渡邉良重

1961年山口県生まれ。山口大学卒業。1986年宮田識デザイン事務所(現・ドラフト)入社。植原亮輔と共に2012年にキギを設立。グラフィックデザインの他、現在もドラフトのプロダクトブランド「D-BROS」のディレクターを務めながらも、糸井重里氏が主宰する「ほぼ日」と洋服のブランドCACUMA(2013年~)を、さらに滋賀県の伝統工芸の職人たちと、陶器・家具・布製品などのブランドKIKOF(2014年~)を立ち上げ。また、デザインワークの流れの中で作品制作をし、展覧会を行っている。2015年に東京・白金にキギの生み出すデザイン製品等を販売するショップ&ギャラリー「OUR FAVOURITE SHOP」をオープン。絵本『BROOCH』(文・内田也哉子)、『ジャーニー』(詩・長田弘、ジュエリー・薗部悦子)、『UN DEUX』(文・高山なおみ)、『ぬりえの赤ずきん、くるみ割り人形、不思議の国のアリス』(文・安藤隆)、および作品集『キギ/KIGI』『KIGI_M』をリトルモアより刊行。東京ADCグランプリ、D&AD金賞、One Show Design金賞、NY ADC金賞などを受賞。

受賞のことば

いつだったか、一番好きなポスターは何ですかと聞かれた時に、わたしは1964年の東京オリンピックのポスターです、と答えました。それは今でも変わりません。日の丸と金色の五輪のポスター、短距離走者のスタートした瞬間のポスター。それを目にする時わたしは、日本人として誇らしい気持ちになり、嬉しさがこみ上げてきます。多くの時間が経っても色褪せないこれらのデザインは眩しいです。わたしが作るものは、随分違っています。時間が経ってみると自分のデザインを反省することも多いです。どうして時間が経たないとわからないのか不思議に思いますが、それはわたしが少し成長したから?と前向きに考えたりもします。永い時間にも耐えられる色褪せないデザインをしたいと最近強く思います。
受賞作の 「AUDREY(オードリー)」はチョコレートとイチゴを中心においたスイーツのブランドです。一店舗目は、横浜髙島屋に、二店舗目は日本橋髙島屋にできました。嬉しいことにクリスマスやバレンタインデーの前は随分な行列ができる人気店になっています。飴玉やチョコレートの包み紙、デパートの包装紙や箱は、子供の頃に触れた大切なデザインで、それを宝物にしました。わたしがデザインしたAUDREYのパッケージも誰かのそんな存在になれれば嬉しい、でもそれが可愛いだけのそれではなく、デザインとしても成り立っている表現にしたいといつも思っています。この仕事は本当にありがたい仕事です。クライアントやお客さんに喜んでいただけること、そしてデザインできることが嬉しい。さらにこのような賞もいただけました。もっと多くの人にAUDREYを知ってもらえるようにわたしも頑張りたいと思います。この賞をいただいたことを新たなきっかけとして、客観的に自分がつくるものを見つめなおしたい。そして歩いたり走ったりしながら継続的に前へ進んで行きたいと思います。

渡邉良重

主催
クリエイションギャラリーG8

共催
公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 亀倉雄策賞事務局

協賛
株式会社プレジィール 東リ株式会社

会場構成
張替那麻建築事務所

渡邉良重原画展 同時開催のお知らせ
会期:2017年4月12日(水)〜5月14日(日)
12:00p.m.–7:00p.m. 月曜・火曜休館(祝日を除く)
会場:OFS gallery (OUR FAVOURITE SHOP内)
〒108-0072 東京都港区白金5丁目12-21 TEL 03-6677-0575

亀倉雄策賞について
1997年に急逝した亀倉雄策の生前の業績をたたえ、グラフィックデザイン界の発展に寄与することを目的として遺族の寄付により設立された亀倉雄策賞。亀倉が設立から長く会長を務めた公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)に運営を一任し、毎年国内賞「亀倉雄策賞」を、さらに3年に一度「亀倉雄策国際賞」を授与する。「亀倉雄策賞」は『Graphic Design in Japan』応募作品の中から、最も優れた作品とその制作者を、「亀倉雄策国際賞」は富山県立近代美術館で開催される「世界ポスタートリエンナーレトヤマ」の応募作品の中から、国際性と普遍性の高い、優れた作品とその制作者を表彰するもの。「いつになっても東京オリンピックの亀倉と呼ばれること」を嫌い、亡くなる直前まで「今」の仕事で若い世代と競い、グラフィックデザイン誌『クリエイション』の編集を通じて、グラフィックデザインの芸術性、本質を追求した亀倉の遺志を尊重し、普遍性と革新性をもったグラフィックデザインを顕彰していく。賞金はいずれも50万円。賞状は佐藤卓によるデザイン。

これまでの亀倉雄策賞受賞者
第1回 田中一光/第2回 永井一正/第3回 原 研哉/第4回 佐藤可士和/第5回 仲條正義/第6回 服部一成/第7回 勝井三雄/第8回 受賞者なし/第9回 松永 真/第10回 佐藤 卓/第11回 植原亮輔/第12回 浅葉克己/第13回 受賞者なし/第14回 澁谷克彦/第15回 平野敬子/第16回 葛西 薫/第17回 佐野研二郎/第18回 三木 健 ※全て敬称略

授賞式
2017年6月23日(金)東京にて実施予定〈2017年度JAGDA通常総会会場〉

作品掲載
年鑑『Graphic Design in Japan 2017』(2017年6月発行予定/六耀社刊/予価16,200円)