本秀康は、一見ポップな画風でありながらシニカルさを持つストーリーや世界観によって、多くのファンを獲得しているイラストレーター・漫画家です。
1990年にフリーランスのイラストレーターとして活動を開始し、1995年に漫画家デビュー、『レコスケくん』『ワイルドマウンテン』などを出版後、近年はCM、雑誌や絵本など、イラストレーションの仕事を中心に活動を行ってきました。
一方、レコードコレクターであり、音楽に造詣が深い彼は、音楽誌への寄稿や執筆もこなし、ミュージシャンとの交流を持ち、音楽関係者にも彼の作品のファンが多く、ユニコーンやスピッツなどのCDジャケット、パンフレットのビジュアルも担当しています。さらに自身で7インチレコード専門レーベル「雷音レコード」を2014年に設立、企画からジャケットデザイン、リリースまでを自ら手がけ、音楽をこよなく愛する本秀康らしい独自の活動を続けています。
会場では、本の制作活動の根源ともいえる、「ロック(音楽)」と「マンガ(物語)」をテーマに、イラストレーションと漫画の原画、約200点あまりをご紹介します。この展覧会を境に、7年ぶりに漫画の活動を再開する本秀康。デビューから約30年にわたる作品を一挙にご覧いただける貴重な機会であるとともに、新たな漫画制作に向かう現在進行形の活動も含め、イラストレーター、漫画家、本秀康の制作の背景と魅力に迫る展覧会になればと考えています。
PREV
NEXT
僕の活動は〈イラストレーション〉と〈マンガ〉の2本柱。今回の展示はそれを同時に観てもらおうという趣旨です。ロックを題材にすることが多い〈イラストレーション〉と〈マンガ〉、ということで展示タイトルを「ロックとマンガ」としました。しかしその境界線は曖昧です。マンガ的な面白さを狙ったイラストレーションもあれば、マンガになりきっていないイラストレーションのようなマンガ原稿もあります。〈イラストレーション〉と〈マンガ〉を分けた展示方法をとりつつも、もしかしたらその2つの根本は同じなのかもしれません。
すべての展示作品から「ロックとマンガ」を感じていただけたら幸いです。
本秀康 Hideyasu Moto
主催
クリエイションギャラリーG8