「Design × Printing = GRAPH」
GRAPHは1989年、田園風景が広がる小さな田舎町で生まれました。1933年から続く老舗の印刷工場が企業の生き残りをかけた、現在でいうCI(Corporate Identity)の始まりです。
デザインとものづくりをクロスオーバーさせることで新たな価値を生み出す。現代では当然のように語られる方法論も、約30年前から実践されているGRAPHの哲学です。
その立役者でありGRAPH代表を務める北川一成は、「業界の異端児」と呼ばれつつもクライアントから絶大の信頼を得る、日本を代表するアートディレクターとして活躍を続けています。ルーツの探求から生まれる鋭い造形感覚と、ローカルとグローバルを俯瞰したシビアなビジネス視点から生み出される北川デザインは、独特の存在感を放ち、見るものの心を強烈に捉えます。
本展では、クリエイティブとビジネス、デザインと印刷、経営者とデザイナー、など異なるジャンルを軽々と越境し、人の心に響くコミュニケーションデザインを創造し続ける北川一成/GRAPHの仕事の秘密に迫ります。
解剖する、という視点で構成された展示は、「北川一成が滞在制作するデザインの現場」から、「創造の源泉が収められた書棚の複製」、「展示物がそのまま買えるデザインマルシェ」、「デザインと印刷の過程を公開する実験披露」、またなぜか「お祭りの屋台」まで、バラエティに富んだ内容となっています。
日々生まれるコミュニケーションの最前線から、日本のデザインとものづくりの未来が垣間見える展覧会です。
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