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展覧会・イベント

住宅情報 特別編集『都心に住む』写真展〜ホンマタカシ表紙写真+10人の写真家によるヴィンテージ・マンション10〜

  • 会期:2005.7.11 月 - 7.29 金
  • 時間:12:00p.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料

住宅情報特別編集『都心に住む』(リクルート刊・ムック)との共同企画として、都心のランドマークともいえる住宅建築の写真展を開催いたします。
『都心に住む』(リクルート刊・ムック)は、都心の集合住宅で豊かな暮らしを送るための、住まいの提案を目的とした情報誌です。6/22発売号の特集である「2030年、そのマンションはヴィンテージになるか?」と関連して、新旧の名作集合住宅の撮影を若手から日本を代表する写真家まで10人の方々にお願いし、本誌に掲載すると同時に、ガーディアン・ガーデンで展示します。展覧会では、ホンマタカシ氏による過去15号と最新号の表紙写真を未発表作品とあわせてご紹介します。
※「ヴィンテージ・マンション」とは、しっかりした管理体制のもと、築後何年を経ても高級感があり、住まいの価値が感じられるマンションのことをいいます。

代官山ヒルサイドテラス(渋谷区猿楽町)
1967年から92年まで段階的に建設されてきた、住居・店舗・オフィスからなる複合建築。朝倉家が所有する敷地に、建築家・槇文彦氏の手によって生み出された。モダンなデザインでありながら、古墳の上に神社があるという土地の記憶をそのまま残し、時間をかけて、ひとつの街の表情を作り上げている。

大西みつぐ Mitsugu Onishi
1952年深川生まれ。’74年東京綜合写真専門学校卒業。’85年「河口の町」で太陽賞を受賞。’93年「遠い夏」、「周縁の町から」他で第18回木村伊兵衛写真賞受賞。主な写真集に『WONDERLAND 1980-1989』、『Memory of a Town』など。現在、東京綜合写真専門学校講師。

ペアシティルネッサンス高輪(港区高輪)
高級マンションの走りともいわれる物件。当時から、人気歌手ほかVIPが住むことで知られた。厳重な警備と管理体制で知られる。背後に三菱系の開東閣を従え、借景は抜群。
坂口トモユキ Tomoyuki Sakaguchi
1969年香川県生まれ。’93年岡山大学理学部卒業。’95年東京大学大学院理学研究科地球惑星物理学専攻修士課程修了。’00、’01、’03年第16、18、21回写真『ひとつぼ展』入選。’04年「ヤングポートフォリオ2003」(清里フォトアートミュージアム)に参加。

六本木ヒルズレジデンス(港区六本木)
商業施設やオフィス、ホテルが集結した森ビルの複合開発、六本木ヒルズ敷地内。コンラン&ザ・パートナーズが監修を務めた外観や共用部分のデザインも特筆される。森ビルが力を入れている屋上庭園をはじめ、入居者をドアマンが出迎えるなど、アメニティの優れた国際派物件。

佐藤信太郎 Shintaro Sato
1969年東京生まれ。’92年、東京綜合写真専門学校卒業。’95年早稲田大学第一文学部卒業。’97年第9回写真『ひとつぼ展』入選。’00年写真集『夜光』出版。’05年7月5日から16日まで写真展「TwilightZone」(フォト・ギャラリー・インターナショナル)開催。

パークハウス西麻布(港区西麻布)
販売当時、三菱地所ブランド「パークハウス」の集大成ともいわれた物件。西麻布の三井宗家跡地という立地に立つ。駐車スペースをすべて地階に設置し(来客用を除く)、地上部分は緑化に努めて、既存樹木を生かしたランドスケープが秀逸な中規模物件。

高田洋三 Yozo Takada
1971年札幌生まれ。’95筑波大学芸術専門学群総合造形卒業。’02年よりフリーランス・フォトグラファーとして活動。個展に「中空」、「SIMSCAPE」など。’03年「写真2003」(茨城県つくば美術館)、「ARTISTSBY ARTISTS」(六本木ヒルズ)などにも出展。

青山ザ・タワー(港区南青山)
青山エリア初のタワーマンション。青山霊園に隣接、港区の中でも高台に位置するロケーション。この眺望を生かすべく、内部空間はバルコニーを極力排した大きな開口部が特徴。ル・コルビジェの下で建築を学んだ坂倉準三のアトリエが母体である坂倉建築研究所が設計を担当。

高橋ヨーコ Yoko Takahashi
1970年京都府生まれ。スタジオ勤務、アシスタントを経て独立。雑誌、広告、装幀や、音楽学者中川真氏との共著『サワサワ』など小説家とのコラボレーションも多数。また旧ソ連や東欧など世界の生活文化をフィールドワークするように撮影し続けている。7月にはグルジアの写真集を出版予定。

代官山アドレス(渋谷区代官山町)
旧同潤会代官山アパートの再開発により、約1.7haの大規模敷地を得た複合開発。下階は商業施設、上層階が居住施設となっている。ロバート・ザイオン氏の起用による、パブリックアートを多く取り入れたランドスケープデザインは、入居者のみならず、街を訪れる人の憩いの空間となっている。

築地仁 Hitoshi Tsukiji
1947年横浜生まれ。’79年島尾伸三、金子隆一らと、CAMERA WORKSの活動を開始、’95年まで写真同人誌「cameraworks tokyo」を企画、編集、発行。’85年写真集『写真像』が第35回日本写真協会新人賞を受賞。作品に、『垂直状の、(領域)』、『海光』、『都市の遠近』などがある。

広尾ガーデンヒルズ(渋谷区広尾)
日本赤十字社の跡地。都心でこれだけの敷地面積の物件は前代未聞。発売当時も非常に話題になり、200倍以上の倍率のついた住戸も存在した。「日本のマンションのありかたを変えた」と言われた物件。発売後も資産価値が下がらず、むしろ価格が上昇した住戸も多い。名作マンションの代表格。

土田ヒロミ Hiromi Tsuchida
1939年福井県生まれ。’71年「自閉空間」で太陽賞を受賞。主な写真集に『俗神』、『ヒロシマ』、『砂を数える』、『TheBerlin Wall』などがある。作品は、ポンピドーセンター、ニューヨーク近代美術館、東京都写真美術館などに収蔵されている。’91年より大阪芸術大学教授。

コープオリンピア(渋谷区神宮前)
表参道沿いの名物マンション。第一次マンションブームの仕掛け人である故・宮田慶三郎氏(明海大学不動産学部の設立者)が社長を勤めた東京コープによる分譲物件。フロントサービス、屋上のプール、宿泊室など、当時としては珍しい共用施設を備えている。

戸田基大 Motohiro Toda
1971年埼玉県生まれ。’95年駒沢大学法学部卒業。’99年写真[人間の街]プロジェクトPart.2/2003NEO DOCUMENTARYに参加。現在、カメラマンとして(有)日本写真社に勤務。

東京ツインパークス(港区東新橋)
大規模再開発エリア・汐留に建つツインタワー。「200年後も変わらぬ存在感、快適さ、構造強度」をコンセプトに、国土交通省の「21世紀都市居住緊急促進事業」に認定された集合住宅。共用施設にはアメリカを代表するインテリアデザイナー、ウィルソン&アソシエイツを起用。

曳野若菜 Wakana Hikino
1976年島根県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専修卒業。東京綜合写真専門学校卒業。’02年第20回写真『ひとつぼ展』グランプリ受賞。個展に、「月を泳ぐ」、「古墳のつくりかた」がある。

ホーマットキャピタル(港区白金台)
戦後、外国人VIP向け住宅の設計としてスタートしたホーマット・シリーズは、都心の小規模低層住宅を中心とした集合住宅のブランドとなった。オリエンタルなテイストの植栽、大きな玄関ドアや広い居住スペースは、依然、外国人居住者を中心に高い支持を得ている。知る人ぞ知るマンション・ブランド。

ホンマタカシ Takashi Honma
1962年東京生まれ。’98年第24回木村伊兵衛写真賞受賞。作品集に『BABYLAND』『東京郊外 TOKYO SUBURBIA』『東京の子供』など。映像作品として、写真家・中平卓馬を撮った『きわめてよいふうけい』など。

展覧会によせて
’94年頃から始まった新築分譲マンションの供給ブームは今も尚続いています。量もさることながら注目したいのは、設備や仕様といった住み心地に関わるものから、管理や構造など安心・安全に暮らすための精神的にも支えとなる部分にまで、幅広くその「質」が向上してきたことです。その背景には、バブル崩壊後「長く住み続けたい」から、「より自分らしく暮せる住空間を手に入れたい」といった住む人の思いがますます強まっていることにあります。そんなサスティナブル(永続的)な集合住宅の条件とは何か? そのヒントは都心の高級マンションにあります。今回は、都市の利便性を満喫し、住まいとしての居住性能や高級感を長く維持し続けている「ヴィンテージ・マンション」にフォーカスします。決してこれみよがしではなく、周辺の街並みに溶け込みながらもその存在感を堂々と醸し出している様を、写真家の方々の手で記録していただこう、と企画しました。「住宅建築×写真」の競演をご堪能いただければ幸いです。
『都心に住む』編集長 坂根康裕

主催
住宅情報『都心に住む』編集部 ガーディアン・ガーデン