1.
奥山淳志 Atsushi Okuyama
『Country Songs ここで生きている』
2006年7月3日(月)〜7月8日(土)
岩手移住をきっかけに日本の大多数を占める“地方”が気になり始めました。 今、“地方=田舎”が大きく変わろうとしています。一番の変化は僕たちの心です。変わらないことを切に願いながらも変わりゆくことを狂おしいほどに欲する。茫々と広がる土地の前で変わりゆくことを決意し、歩き始めたのが「今」という時代なのだと感じています。しかし、だからこそ、他者に気付かされるのではなく、自らで何を失い、何を得ようとするのかを考えたい。そんな思いで地方の今=日常を見つめています。
1972年生まれ。京都外国語大学卒業。出版社を経て、現在、フリーランスカメラマン。
2.
鷲尾和彦 Kazuhiko Washio
『極東ホテル』
2006年7月10日(月)〜7月15日(土)
ネットワーク社会の進展は、従来の国境線を軽々と通り越し、瞬間、瞬間に、新しい コミュニティ、新しい町、新しいボーダーラインをつくりだしていく。東京都台東区、かつて山谷と呼ばれたエリアにある1軒の外国人旅行者向け簡易宿。それはまさにネットワークの「ハブ」であり、東京という都市に埋め込まれた新しい「公共圏」の姿だった。写真家は自ら旅行者としてこの場所に滞在し撮影を続けた。ここでは世界は、そして東京は、絶えずそのカタチを変え続ける。
1967年生まれ。早稲田大学教育学部卒業。写真家。
3.
佐藤祐介 Yusuke Sato
『伝うだけの世界』
2006年7月18日(火)〜7月23日(日)
どのような扉を通り抜けても、世界はたった1つだった。 人は通り過ぎる者を追いやり、彼らは拘束されながらも自由を願った。与えられた地図。定められた道のり。幾千もの紙屑を、地道に、ただ無表情に、 減らしていくだけの行為。重い足枷を付ける者に許されたことは、様々な箱を辿り、壁づたいに歩いていくことだけ。不毛な数字をあらゆる街に散らして。 汚れた手。切り傷。暖かい缶コーヒー。伝うだけの世界。全てが制約されるはずだった。だが、何かをつたえたいと、心から願った。 小さな武器と共に。伝うだけの世界で。
1977年生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。現在、フォトグラファー。
4.
鈴木慎之介 Shinnosuke Suzuki
『新盆(あらぼん)』
2006年7月24日(月)〜7月29日(土)
2001年、父方の祖母が亡くなりました。 いつでもやわらかい笑顔の祖母でした。翌2002年の夏、祖母の初めてのお盆に親戚が集まりました。祖母の家のあたり(福島県二本松市)では最初のお盆を新盆(あらぼん)と言います。この写真は新盆に親戚が集まった記念という事もありますが、やはり祖母の死、そしてその一年後にこの人数が集まって食事をし、お墓参りをする、という『繁り』の中に居たという事が写真を撮った大きな理由です。祖母の新盆は、笑顔の絶えないものになりました。
1981年生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。
5.
山西英二 Eiji Yamanishi
『アメリカ IN JAPAN』
2006年7月31日(月)〜8月5日(土)
幼い頃、母に連れられて初めて見たアメリカ。 僕はアメリカの文化やファッションに影響を受け、そしていつしかアメリカが僕の憧れとなった。大人になり本当のアメリカへ何度か足を運んだが、あの時抱いた憧れのアメリカとは異なった違和感の様なものを感じていた。久しぶりに僕が初めて感じたアメリカを訪れてみると、そこにはあの頃と変わらない「憧れのアメリカ」と現在の「僕と日本」があった。
1974年生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。現在、フリーランスフォトグラファー。