The Second Stage at GG #3
ガーディアン・ガーデンでは、今年1月に新しい企画展シリーズ「The Second Stage」をスタートさせましたが、このたび、同シリーズ第3弾を開催する運びとなりました。 当ギャラリーは、若手表現者に「表現の場」と「機会」を提供しようと、主に公募展を中心に活動を続けております。10年目を迎える『ひとつぼ展』も、回を重ねるたびに優秀な作品が集まり、グランプリを選ぶこともますます難しくなってきました。 さらに、これまでの入選者468名の中からは、グランプリを取った取らないにかかわらず、すでに各界で活躍を始めた若手クリエイターも数多く出ています。この企画展はそうした『ひとつぼ展』の卒業生たちの、その後の様子を伝えるための展覧会です。
第3弾として紹介する小阪淳は、1992年第1回グラフィックアート『ひとつぼ展』に入選しました。 以後、コンピュータグラフィクスを駆使した平面作品をはじめ、インターネットの普及に先駆けて手がけたウェブサイトデザイン、フラッシュを使ったメディアアートなどで幅広く活躍しています。 現在朝日新聞に連載中のヴィジュアル作品からは、表現者でありながらも独りよがりにならず、社会とリンクして作品制作にいどむ姿勢が伺えます。
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展覧会によせて
「過去をふりかえる」のは基本的にイタい行為です。人間、都合の悪いことは忘れがちなものですが、ものをつくっていると、作られたものは克明に過去を記録しています。イタさ満点です。それらを再び、しかもまとめて並べるのは自虐的行為としか言い様がありません。このイタみを何とか緩和しなければ……。 鎮痛のために過去の作品を改変しようとついついマウスに手が伸びるわけですが、これらの作品はいつ完成するのでしょう。たぶんいつまでも未完成だと思っていたいのでしょう。そうすればイタい過去の自分に言い訳もつきます。そんなわけで今回の個展は言い訳の集合体としての個展であり、自分の現在を表す未完成作品群です。 しかし、これらはクライアントの要請に応じて一度は完成を経たという履歴においてやはり未完成とも言い切れないわけですので、厳密にいうと「私の過去の未来」という、パラレルワールドを形成してしまうなんだかややこしい状況を含む作品展になりそうな気配です。 発表時から改変なく展示されている作品は、今のところ気に入っている証拠です。
小阪淳