The Second Stage at GG #10
ガーディアン・ガーデンでは、2002年1月に新しい企画展シリーズ「The Second Stage」をスタートさせましたが、このたび、同シリーズ第10弾を開催する運びとなりました。当ギャラリーは、若手表現者に「表現の場」と「機会」を提供しようと、主に公募展を中心に活動を続けています。11年目を迎える『ひとつぼ展』の入選者508名の中からは、グランプリを取った取らないにかかわらず、すでに各界で活躍を始めた若手クリエイターも数多く出てきています。この企画展はそうした『ひとつぼ展』の卒業生たちの、その後の様子を伝えるための展覧会です。
第10弾の渕上照生は、『ひとつぼ展』の前身である公募展「第1回アート展」に入選し、「空想の船」と題した個展を開催しました。力強く前進する船の抽象的なイメージを、流れるような美しいフォルムで削りだしました。その後、制作に集中できる快適なアトリエを求め、南アルプスの麓の山梨県早川町に転居し、精力的に活動を展開しています。地元の木や流木を使用し、「生命」や「自然」をテーマにした作品を発表し続けています。猥雑な都心を離れ、作品制作と生活とが同化した日々を過ごす、そんな新しいアーティストの生き方を知ることができます。
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展示によせて
私は11年前に、東京から山梨県の里山「早川町」の使用しなくなった旧い公民館へ引っ越してアトリエと住居とし、地元の木や流木を使って自然や生命などをテーマとした木彫作品を制作してきました。また4年前から近くのプレハブを借りて、妻と二人でギャラリーとアトリエを開設し、作品の展示販売も始めました。山々は四季の移り変わりとともに美しさ、厳しさ、優しさを伝えてくれます。都会で感じ取れないリアルな自然の中で、人間(生命)が表現出来る本物の感動を目指し『原始の塔』シリーズの作品を制作しています。作家として、人間として自分自身の限界へと日々挑戦する生き方が長い時間をかけた作品となれば、それこそが素晴らしい事だと考えています。20代の頃には作れなかった作品を、30代の今作る事を目標に日々研鑽しています。