The Second Stage at GG #27
ケッソクヒデキは、装丁や広告など幅広く活躍するイラストレーターです。近作には、ベストセラー作家宮部みゆきの小説の装丁やJR東日本新幹線、J-WAVEの広告などがあります。
今回のThe Second Stage at GG「gradation」では、 ’01年の第17回グラフィックアート『ひとつぼ展』入選後から現在まで彼が手掛けてきた仕事と、展覧会で発表してきたオリジナル作品に新作を交え、ご紹介いたします。
ケッソクは、少年時代に見た大友克洋の「アキラ」に衝撃を受け、廃墟と化した都会のビルの美しさに見とれたと言います。その影響からか彼の描く風景からは徐々に人物が消え、建物や壁、空き地が数多く登場し、そのテクスチャーが愛おしいまでに丁寧に描かれています。
今回のタイトル「gradation」には、「絵を描いてきた経過」という意味を込めたとケッソクは言いますが、その裏側には彼が見た現実の世界から、彼が描く絵の世界への「変化」でもあるような気がします。自分が気になった風景をデジタルカメラで撮影し、それを見ながら、現実からフィクションの世界を立ち上げる。そこにはケッソクの創り出すある種の「SF」の世界が表れてきます。新作ではどんな「SF」を創り上げるのか、ご期待下さい。
展覧会によせて
Gradationとは直訳すると階調と言う意味です。
近作では技法的にもグラデーションというものを使用していますが、
いままで自分が絵を描いて来た経過にも、
ある種の階調に似たものがあるように思えます。
それはジワジワと意図的だったり・・・、偶発的だったり・・・・、
一つ一つを制作している段階では気がつかないものですが、
一歩一歩違う思考や発想が生まれていて、
ふと、すべてを見返してみると連続的変化が起っていて、
まるで異質なものになっているようです。
今回の展覧会では
会場の半分をオリジナル作品、半分を仕事での作品に分けて展示いたします。
今まで描いてきたオリジナル作品の変化とそれに伴う新作、
そしてイラストレーターとしての仕事での作品、
それらが相互作用を起こしながら、
変化してきた様子を感じていただけるのではないかと思います。
ケッソクヒデキ
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主催:ガーディアン・ガーデン