The Second Stage at GG #51
ガーディアン・ガーデンでは「The Second St age at GG」 シリーズの51回目として、田渕正敏展「Choice」を開催しま す。本シリーズは、若手表現者を応援するガーディアン・ ガーデンの公募展入選者の中から、各界で活躍する作家の、その後の活動を伝えるための展覧会です。
田渕正敏はストライプ柄のシャツを拡大し描写した作品で第11回グラフィック「1_WALL」のファイナリストに選出されました。その後も書籍の挿画、パッケージイラスト、CDジャケットなどを中心に、イラストレーターとして活躍しています。
本展では、田渕が継続して制作している、青色の色鉛筆や絵具で、日用品を細密に描写するシリーズを中心に展示します。折り畳まれてパッケージされた物干しハンガーや、容器に入れられたフルーツなど、身近なものを観察し、魅力的な形を描き起こしています。青色1色で表現されたイラストレーションは、遠目からみると精密な印象を受けますが、細部には筆致が残されており、偶然性も取り入れて絵作りをしていることに気づかされます。白い紙以外に、段ボールや、アクリルなどに支持体を変えた作品の他に、変形するハンガーの動きに着目した映像作品なども展示します。ぜひ、会場にてご覧ください。
また、会期中には美術作家の関川航平さんと、「へきち」として一緒に活動するグラフィックデザイナーの松田洋和さんをそれぞれゲストに招き、トークイベントの様子をオンライン配信いたします。
ライブ配信のアーカイブは以下からご視聴いただけます。
トークイベント「モチーフは選ばれた」関川航平(美術作家)×田渕正敏
トークイベント「Choice展に至るまで」松田洋和(グラフィックデザイナー)×田渕正敏
作家挨拶
ものを絵を描く目的で見る時、その対象はモチーフと呼ばれる。生活の中には無数にモチーフがありしばしば目を奪われる。スーパーで見かけた葡萄は透明のプラスチックケースに入っていた。果実の保護と飾り付けを両立させた形と透けて見える葡萄は瑞々しい張りを感じさせた。ホームセンターで見つけた洗濯干しはフラットに畳まれて輪ゴムで留められていた。使用する際の宙吊りの姿とは異なる平面的なものとしてそこにあって、すでに絵の設計図のように見えた。モチーフに選んだものには全てこのように何かしら視覚に引っかかるところがあります。絵にすることでより濃密にその魅力に迫りたいと考えています。
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