The Second Stage at GG #11

原美樹子展「発語の周縁」

2004年7月12日(月)~ 7月22日(木)

12:00p.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館 入場無料

ガーディアン・ガーデンでは、2002年1月に新しい企画展シリーズ「The Second Stage」をスタートさせ、このたび、同シリーズ第11弾を開催する運びとなりました。当ギャラリーは、若手表現者に「表現の場」と「機会」を提供しようと、主に公募展を中心に活動を続けています。14年目を迎える『ひとつぼ展』の入選者528名の中からは、グランプリを取った取らないにかかわらず、すでに各界で活躍を始めた若手クリエイターも数多く出てきています。この企画展はそうした『ひとつぼ展』の卒業生たちの、その後の様子を伝えるための展覧会です。

第11弾の写真家・原美樹子は、第8回写真『ひとつぼ展』(1996年)に入選しました。 1999年に開催された「プライベートルーム2―新世代の写真表現―」展(水戸芸術館現代美術センター)でも、 90年代に活躍を始めた女性写真家の一人として紹介されました。その後も原は、独自の世界を貫いて、 ゆっくりとマイペースで作品制作を続けています。生活の中に写真があり、 ごく自然にカメラをともにしている様子が心地よいイメージとなって写し出されています。

展覧会によせて
「あんたはなんか光るもん持ってる、って言ってたよ。」
ちいさな芝居小屋で芝居をしていた頃のはなしだ。
一緒に舞台を踏んだ一回り上の先輩が、自分の同居人の言葉を私に 伝えてくれた。 その同居人の人は何でもテレビの放送作家をしてい るらしい。みんなで酒でも飲みにいこうと、新宿二丁目に誘われた。
行くと店の人やら知らない人やら入り乱れていた。

その場のちゃらちゃらした感じが、いやだった。巧妙な会話をぶつけ 合いながらお互いを値踏みしあう、ぱりぱりした雰囲気がつらかった。 同居人さんの、女として、プロとしてのプライドが痛かった。気の効い た話題のひとつもだせない自分がいたたまれなず、そのくせ物欲しげに 何かを期待していた自分も情けなかった。いろんな感情がとぐろを巻い て、壁の花の私は、若さ故の不機嫌さをいっぱい身に纏って、逃げるよ うに立ち去った。
「お礼もあいさつもなく帰るなんて失礼だ、っておこってたわよ」 翌日、先輩から電話で同居人さんの言葉が告げられた。もらった電話で 非礼を詫びた。

私は就職を機に芝居をやめた。その先輩とも音信は途絶えた。 もう何年も経った。私はかつての彼女達の年回りになり、年若い人から 「失礼なこと」をされることも、たまにはある身になった。先輩は今も 時々テレビで愛想をふりまいている。みるにつけ、テレビに向かって 謝ったりする。謝っても月日は後戻りしない。

原美樹子 Mikiko Hara
1967年富山県生まれ。1990年慶應義塾大学文学部卒業。 1996年東京綜合写真専門学校研究科卒業。1996年第13回キヤノン「写真新世紀」展佳作、同年第8回写真『ひとつぼ展』入選。

個展
1996年「Is As It」(ギャラリー・ル・デコ6)、1998年「Agnus Dei」(銀座ニコンサロン)、 2001年「うつろの製法」(コニカプラザ,The Third Gallery Aya ・大阪)。

グループ展
1999年「プライベートルーム2―新世代の写真表現―」展(水戸芸術館現代美術センター)、 2003年JAPAN- Contemporary Ceramics and Photography 展(The Deichtorhallen・ハンブルグ )ほか

コレクション
Bibliotheque nationale de France(フランス国立図書館)

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オープニングパーティー
2004年7月12日(月) 6:30p.m.-8:00p.m.