The Second Stage at GG #21
ガーディアン・ガーデンでは、「The Second Stage at GG」シリーズ展第21弾を開催する運びとなりました。若手表現者を応援しようと1992年から始まった『ひとつぼ展』も16年目を迎え、入選者の中からは、グランプリを取った取らないに関わらず、すでに各界で活躍を始めた若手クリエイターも数多く出てきています。このシリーズは、そうした『ひとつぼ展』の卒業生たちの、その後の様子を伝えるための展覧会です。
第21弾は、写真家の中島古英をご紹介します。中島は、日本大学芸術学部及び大学院時代に、第3回、第6回写真『ひとつぼ展』に入選。卒業後、株式会社ライトパブリシテイに入社し、キユーピー、大塚製薬、花王、KIRIN、などの広告、CMや雑誌で活躍しています。今回は入選当時から一貫して撮り続けている人物のポートレートと植物の2つのテーマで個展を開催します。
旅先で出会った老婦の顔と手。そこには、長い人生のくらしのすべてが刻まれており、中島は、それらを丹念にすくい上げています。また、彼女は、植物の葉の葉脈にも目を向けています。そこにも、植物が生きていくために格闘してきたすべてのものが刻まれています。人と植物の、生命のぬくもりと力強さを、写真を通して体感していただければと思います。
展覧会によせて
肌の温度
その手を見た時、なぜか頭が下がる思いがした。
思いやりと恥じらい、彼女の人生を映すような存在感。
どうしたらそんなにも強くて深い手になるのかと
どうしたらそんな眼差しで見つめることができるのかと
いろんな感情がめぐってきてコトバにならない。
カメラを通して目が合ったときから
胸が詰まるような瞬間の連続だった。
葉の温度
妖しく神秘的なイメージが目の前に迫って
その世界にのめりこむ自分がいる。
それは時に人の肉体にも見え、
まるで細胞の一部にも見えるのだが、
こんなにも植物に儚さや美しさを超えた
強い表情があるのかと驚く。
普段見慣れているはずのものが、
見たことのないような物体に思える瞬間。
その瞬間を探し見つけることが、
わたしのテーマなのかもしれない。
中島古英
PREV
NEXT
主催:ガーディアン・ガーデン