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展覧会・イベント

The Second Stage at GG #35

阪本勇展「天竺はどこや!!」

  • 会期:2014.5.12 月 - 5.29 木
  • 時間:11:00a.m.-7:00p.m.
  • 日曜休館 入場無料

ガーディアン・ガーデンでは、「The Second Stage at GG」シリーズ第35弾を開催する運びとなりました。若手表現者を応援しようと1992年から2008年まで開催した公募展『ひとつぼ展』、2009年にスタートした「1_WALL」の入選者の中からは、各界で活躍する作家が数多く登場しています。このシリーズは、そうした『ひとつぼ展』と「1_WALL」の卒業生たちのその後の活動を伝えるための展覧会です。

今回の第35弾では、写真家の阪本勇をご紹介します。阪本は「天竺はどこや!」で第27回写真『ひとつぼ展』に入選しました。阪本は一貫して、自身の根底から溢れ出る「衝動」に突き動かされながら、シャッターを切り、制作を続けてきました。「三蔵法師が、どこにあるのかわからない天竺へ向けて歩いた一歩一歩。それが自分にとっての写真一枚一枚だ」と語るように、この世のありとあらゆる現場や現象を写真におさめたいと、様々な被写体と真正面から向き合います。しかし、それはただ刺激的な視覚体験を追い求めるものではなく、親しい友人がふと見せる表情や、身近な風景のなかにも、見たことのないものへの「衝動」を見出します。言い換えれば、それは阪本自身が紡ぎだす、人との繋がりや想いの中から現れる、喜びの有り様なのかもしれません。「人は皆、それぞれの手段で、それぞれの天竺を目指しているのだと思う」と言うように、写真を撮ることで、自身の天竺に向かって歩く阪本の行き先を、ぜひ会場でご覧下さい。

 

展示によせて

「コンセプトはなんですか」と聞かれるたびに困ってしまう。
進み過ぎた現代社会へのアンチテーゼだとか、世界の恒久な平和を願ってだとか、なんとでもテキトーなことは言えるんだろうけど、やっぱり思ってもないことは口にしたくない。第一、そんなことを思いながら一枚一枚シャッターを切っていたらすぐに22世紀になってしまう。

コンセプトはなく、衝動がある。
衝き動かされては走り、衝き動かされては撮る。じゃあその衝動は一体なんだと問われたら、いっぱいあり過ぎて答え切れない。

アンモナイトの化石を手にした時のこと。初めて女の子に告白された時のこと。友達の家に集まってアダルトビデオ鑑賞をした時のこと。秘密基地のこと。小学校の屋上で見た流星群。

身の回りの出来事だけじゃない。未だに現代文明に触れていない民族がまだいることとか、火星に生命体が存在する可能性とか。シロクマの毛を刈ると真っ黒になることとか、ハシビロコウの容姿とか。ミナミゾウアザラシの大きさとか、UMAの存在とか。深海のこととか、宇宙のこととか。それら全てのことが僕が写真を撮る衝動になっている。

それらの衝動をコンセプトと呼んでいいのなら、僕のコンセプトはこの世あの世の有象無象、一切合切全てを含めた森羅万象の出来事なのです。

阪本勇

阪本勇

1979年大阪生まれ。日本大学芸術学部写真学科中退。写真家 本多元氏に師事後、独立。現在東京在住。エディトリアル、コマーシャル等の分野で大活躍(したい!)。箕面の山で猿と共に育った彼も今や大都会東京で...

主催:ガーディアン・ガーデン