ガーディアン・ガーデンでは、個展開催の権利をかけて作品を発表する公募展、第7回グラフィック「1_WALL」展を開催します。一次審査(ポートフォリオ審査)と二次審査(ポートフォリオレビュー)を通過したファイナリスト6名が、一人一壁面を使って作品を発表し、会期中の8月30日(木)には、グランプリを決定する公開最終審査に挑みます。一般見学者の見ている前でファイナリストによるプレゼンテーションが行われ、審査員による議論の後、グランプリを決定します。受賞者には1年後の個展開催と作品パンフレット制作の権利が贈られます。
「1_WALL」は3度にわたる審査で、応募者の実力や可能性を見ていきます。応募者にとっては表現者としての本気度が試される公募展です。7回を迎える今回は、街に溢れるサラリーマンをデジタルカメラで撮影採取し、それを一人一人ドローイングで描きスタンプに加工した作品や、細い鉛筆の線画で、女性の顔やアクセサリーの付いた胸もとなど女性らしいフォルムを繊細に描いた作品、東京都町田市を舞台に繰り広げられるとある家族の物語を4コマ漫画にして、’05年より毎日ブログで発表し続けている作品など、様々な作品が2回の審査を経てファイナリストに選ばれました。誰がグランプリを獲得するのか、今後のグラフィック界で注目が期待されるのは誰か、皆さんの目でお確かめください。
第7回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト6名
8月30日の公開最終審査会で、大門光さんがグランプリに決定しました。
大嶋奈都子 Natsuko Oshima
1984年生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。
「TOKYO SALARYMAN STAMP」
黒いスーツに革靴を履いて、
猫背でおなかがちょっと出ていたり……。
同じように見えるけど、ひとりひとり違う、
そんな働き者のサラリーマンを、スタンプにしました。
宍戸未林 Mirin Shishido
1986年生まれ。武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
「シャツ」
真っ白いシャツを着て山手線で会社に行くと
ToDoリストつくってよと上司が言いました。
ハミング ワイドハイター
机に戻ると、そんなメモがありました。
*グランプリ*
大門光 Hikari Daimon
1987年生まれ。東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士2年在籍。
「ゲンガ」
ペンを持つと、ふと頭の中にワンシーンが浮かびます。
そんなワンシーンを描き留めて
「ゲンガ」というタイトルをつけました。
たかくらかずき Kazuki Takakura
東京造形大学大学院美術研究領域修了。
「【バグ】ザ・ワールド」
だいたいパソコンで平面作品を作っています。
映像をつくっているつもりです。
それらを印刷によって召喚する。
そんなイメージです。
中垣ゆたか Yutaka Nakagaki
1977年生まれ。
「4コマ漫画『町田家、あさって、しあさって。』」
今、東京町田でひそかに注目を集めている
毎日ブログで更新! 4コマ漫画
「町田家、あさって、しあさって。」が
とうとう銀座にやって来る! 圧倒! 圧巻間違いなし!
中村ゆずこ Yuzuko Nakamura
1982年生まれ。
「静かな世界」
浮遊しているもの
根差しているもの
どこからか湧いてくる想い
飛びついてしまう衝動
それらを巻き込んで、画面の中に新鮮な風が吹く
1984年生まれ。武蔵野美術大学大学院視覚伝達デザインコース修了。第7回「1_WALL展グラフィック」ファイナリスト。同じように見えて、実はそれぞれ個性的なおじさんたちを観察・再現した「おじさんスタン...
宍戸未林
1986年福島県生まれ。2009年武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業。
受賞:2012年 第7回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト。
1987年東京都出身
自称漫画家
2012年 第7回グラフィック「1_WALL」グランプリ
2015年 CCC展覧会企画公募New Creators Comprtition 2016 入賞
...
たかくらかずき
(Illustrator/Artist/Game creator)
第7回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト。ドット絵やデジタル表現をベースとしたイラストで、音楽、CM、書籍、WEBなどのイラストや動画を制作。劇団「範宙遊泳」ではアートディレクションを担当。「宇宙冒険記6D」で初の脚本を担当した。個人作品ではプリントやレンチキュラーシートを使った作品などを制作。pixiv zingaroにてグループ展「ピクセルアウト」を企画/主催。2016年より「スタジオ常世」の名でゲーム開発を開始、「摩尼遊戯TOKOYO」を開発中。
1982年生まれ。
高校卒業後19才から22才までフランスで絵を学ぶ。
アカデミーポールロワイヤルに所属。2004年帰国。
現在は岐阜県で絵を製作中。
審査員(50音順、敬称略)
居山浩二(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
1967年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。日本デザインセンターを経て、イヤマデザイン設立。主な仕事に集英社「ナツイチ」、カモ井加工紙「mt」、東京大学医科学研究所など。JAGDA新人賞、カンヌライオンズ金賞、SPIKES ASIAグランプリ、NY ADC金賞、CLIO金賞、SDA最優秀賞など受賞多数。
大塚いちお(イラストレーター、アートディレクター)
1968年新潟県生まれ。書籍や広告、音楽関係などのイラストレーションを数多く手がける他、NHK教育テレビ「みいつけた!」のアートディレクターをつとめる。作品集に『illustration book, ICHIO Otsuka's MAGIC』(誠文堂新光社刊)。絵本に映画監督の是枝裕和氏との共著『クーナ』(イーストプレス)などがある。
柿木原政広(アートディレクター)
1970年広島県生まれ。1996年ドラフト入社。株式会社10(テン)を設立。JAGDA新人賞、東京ADC賞、One show silver pencil、NY ADC silver受賞。代表作に「singingAEON」、「R.O.U」、「日本美術が笑う」、「静岡市美術館」、「富士中央幼稚園」、「Rocca」がある。JAGDA会員、東京ADC会員。
菊地敦己(グラフィックデザイナー)
1974年東京生まれ。武蔵野美術大学彫刻科中退。2000年ブルーマーク設立、2011年より個人事務所。ブランド計画、ロゴデザイン、サイン計画、エディトリアルデザインなどを手掛ける。とくに美術、ファッション、建築に関わる仕事が多い。また、「BOOK PEAK」を主宰し、アートブックの企画・出版を行う。
都築潤(イラストレーター)
1962年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。80年代から00年代までにグラフィック系コンペや広告賞で多数受賞。10年「ニューエイドス」13年「都築潤×中ザワヒデキ」を展示開催。15年「ニューエイドス以降/検証1980-2000」開講。『日本イラストレーション史』監修執筆。NHK高校講座「美術1」監修出演。
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