ガーディアン・ガーデンでは、第8回グラフィック「1_WALL」展を開催いたします。「1_WALL」は三度にわたる審査で実力や可能性を見ていく、応募者にとっては表現者としての本気度が試される公募展です。一次(ポートフォリオ)審査と二次(ポートフォリオレビュー)審査を通過したファイナリスト6名が、1人1壁面を使って作品を発表し、会期中に行われる公開最終審査に挑みます。一般見学者の見守る中、ファイナリストによる作品や個展プランのプレゼンテーションが行われ、審査員による議論の後、グランプリが決定されます。グランプリ受賞者には一年後の個展開催と作品パンフレット制作の権利が贈られます。
第8回を迎える今回は、テニスプレイヤーの身体の輪郭を独特の揺らぎのある曲線で描いた作品、清楚でいて且つエロティックな女性を色鉛筆の淡く繊細なタッチで描いた作品、コンピューターの描画ソフトの持つ特性を活かし、あえて無作為な線や色で構成したグラフィックを出力し、石や鉄パイプなど無機質な実物の素材と組み合わせた作品など、個性豊かなファイナリスト6名による作品が選出されています。どんな新しい才能が登場してきたのか、そして誰がグランプリを獲得するのか、皆さまの目でお確かめください。
第8回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト6名
3月6日の公開最終審査会で、下野薫子さんがグランプリに決定しました。
小川雄太郎 Yutaro Ogawa
1985年生まれ。多摩美術大学大学院美術研究科デザイン専攻グラフィックデザイン領域修了。
「テニス」
フニャフニャとした線でテニスをテーマに描いたシリーズ。
テニスという競技がもつ様式美と、
それに対する選手のしぐさや
体つきのギャップに興味を持ちました。
小野寺奈緒 Nao Onodera
1983年生まれ。東洋美術学校グラフィックデザイン科卒業。
「秘密」
他人には秘密だけど、一人でいるときは、
あんなことやこんなことをしています。
この時間が終わったら、いつもの私に戻ります。
私が私でいられるための特別な時間。
*グランプリ*
下野薫子 Yukiko Shimono
1988年生まれ。武蔵野美術大学油絵学科4年在籍。
「reach」
Illustratorを用い作った作品は数値のデータなので
時間により変化せず無限に拡大することも想定可能であるが
物理的には存在しない。
壮大さと無意味の共存した絵画。
林香苗武 Takeshi K. Hayashi
1991年生まれ。武蔵野美術大学油絵学科3年在籍。
「アギネス」
すごく軽くて、速いところに行きたい。
スピードを手に入れたい。速いものはカッコいい。
走り出してほしい。
絵はなぜ止まっているのか?!
細川貴恵 Kie Hosokawa
1983年生まれ。名古屋芸術大学デザイン学部デザイン学科中退。名古屋造形芸術大学造形学部美術学科洋画コース卒業。
「Surface」
描いているのは〈現代の楽園〉。
そこは複雑な現代において得られる生きるよろこびの象徴であり、
私のアイデンティティを確立する場です。
Leika Lee
1978年生まれ。嵯峨美術短期大学卒業。
「はきだめ」
深い夜に聞こえるのは何?
目の奥底にこびりついて剥がれないのは何故?
洗い物の山にうんざりしながら、
はきだめからはまた遠吠えが聞こえる。
1985年 東京生まれ。
多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。
同大学大学院デザイン専攻グラフィックデザイン研究領域修了。
同大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン研究室勤務を経てフ...
1983年生まれ。仙台市在住。
東洋美術学校グラフィックデザイン科卒業後、
イラストレーターとして活動中。
2015年 第193回 ザ・チョイス 芥陽子氏審査 準入選
2013年 第8回グ...
下野薫子
1988年東京生まれ。
2013年武蔵野美術大学卒業。
林香苗武
1991年長野県生まれ。2011年より平面表現における速度を主題とし、制作活動を続けている。 現在は速度主義を掲げ「“あらゆる摩擦や抵抗を無くした”機械を創造する」を理念とし、制作を行う。2015年2月20日に「速度主義宣言」を発表。
細川貴恵
1983年生まれ。名古屋芸術大学デザイン学部デザイン学科中退。名古屋造形芸術大学造形学部美術学科洋画コース卒業。
女が吐くため息のようなものを描いています。
第2回、第8回グラフィック「1_WALL」ファイナリスト
審査員(50音順、敬称略)
居山浩二(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
1967年生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。日本デザインセンターを経て、イヤマデザイン設立。主な仕事に集英社「ナツイチ」、カモ井加工紙「mt」、東京大学医科学研究所など。JAGDA新人賞、カンヌライオンズ金賞、SPIKES ASIAグランプリ、NY ADC金賞、CLIO金賞、SDA最優秀賞など受賞多数。
大塚いちお(イラストレーター、アートディレクター)
1968年新潟県生まれ。書籍や広告、音楽関係などのイラストレーションを数多く手がける他、NHK教育テレビ「みいつけた!」のアートディレクターをつとめる。作品集に『illustration book, ICHIO Otsuka's MAGIC』(誠文堂新光社刊)。絵本に映画監督の是枝裕和氏との共著『クーナ』(イーストプレス)などがある。
柿木原政広(アートディレクター)
1970年広島県生まれ。1996年ドラフト入社。株式会社10(テン)を設立。JAGDA新人賞、東京ADC賞、One show silver pencil、NY ADC silver受賞。代表作に「singingAEON」、「R.O.U」、「日本美術が笑う」、「静岡市美術館」、「富士中央幼稚園」、「Rocca」がある。JAGDA会員、東京ADC会員。
菊地敦己(グラフィックデザイナー)
1974年東京生まれ。武蔵野美術大学彫刻科中退。2000年ブルーマーク設立、2011年より個人事務所。ブランド計画、ロゴデザイン、サイン計画、エディトリアルデザインなどを手掛ける。とくに美術、ファッション、建築に関わる仕事が多い。また、「BOOK PEAK」を主宰し、アートブックの企画・出版を行う。
都築潤(イラストレーター)
1962年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。80年代から00年代までにグラフィック系コンペや広告賞で多数受賞。10年「ニューエイドス」13年「都築潤×中ザワヒデキ」を展示開催。15年「ニューエイドス以降/検証1980-2000」開講。『日本イラストレーション史』監修執筆。NHK高校講座「美術1」監修出演。
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