ガーディアン・ガーデンでは、個展開催の権利をかけて作品を発表する公募展、第5回写真「1_WALL」展を開催します。一次審査(ポートフォリオ審査)と二次審査(ポートフォリオレビュー)を通過したファイナリスト6名が、会期中の9月29日(木)に、グランプリを決定する公開最終審査に挑みます。一般見学者の目前でファイナリストによるプレゼンテーションが行われ、その後審査員の議論を経て、グランプリが決定します。受賞者には1年後の個展開催と作品パンフレット制作の権利が贈られます。「1_WALL」は3度にわたる審査で、応募者の実力や可能性を見ていきます。応募者にとっては表現者としての本気度が試される公募展です。
5回を迎える今回は、写真に言葉を添えて物語を編み出した作品や、母親の日常をユニークな視点から見つめ直した作品、カメラを介して友人や家族と向き合い、あらためて人間関係を結び直した作品など、それぞれが抱えるテーマと格闘しながら真剣に向き合おうとする作品が集まりました。今回は誰がグランプリを獲得するのか、どんな未来のスターが現れるのか、是非皆さんの目でお確かめください。
第5回写真「1_WALL」ファイナリスト6名
9月29日の公開最終審査会で、清水裕貴さんがグランプリに決定しました。
池崎一世 Ichiyo Ikezaki
1975年生まれ。女子美術大学絵画科洋画専攻卒業。ニューヨーク市立大学ラガーディアコミュニティーカレッジメンタルヘルス科卒業。
「Our Song」
健康的な人間関係を探る。家族などの小さな社会が機能的にあるためにはどうしたらいいのだろうか?
板谷麗 Rei Itaya
1978年生まれ。女子美術短期大学卒業。東京綜合写真専門学校卒業。
「ache」
心の疼きを整理する為に、私には写真という相棒が必要なのです
自分の外の世界を認め、向き合おうとすることで
人の中で人として生きるという意味を、知ろうとしているのです
櫻井龍太 Ryuta Sakurai
1983年生まれ。
「Mを撮る」
Mとはインターネットを通じて知り合った女性のハンドルネーム。
撮影者と被写体の撮りたい撮られたいという欲望と衝動が渦巻いて高揚しハイな状態を経験する。
*グランプリ*
清水裕貴 Yuki Shimizu
1984年生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。
「tky ↔ almgrd」
白い砂漠の街に行って、逃げ水を追いかけた。
轟音、乾き、乱反射、目眩。
夜、夢の中で物語を拾った。
ばらばらになった距離と情動を、新しく繋ぐために。
芹川由起子 Yukiko Serikawa
1984年生まれ。
「母と刃物」
帰省の度に母を撮っていました。そうしたら、なんだか刃物もよく一緒に写っていました。
なんだか怖い写真なのは、いろんな感情が写り込んでしまうからかもしれません。
丸山勇樹 Yuuki Maruyama
1986年生まれ。日本映画学校卒業。セツ・モードセミナー在学。
「光野」
光をコントロールすることでもう一つの世界を見る。
あるはずの光景はもうない。
女子美術大学絵画科洋画専攻卒業。
NY市立大学ラガーディアコミュニティーカレッジ メンタルヘルス科卒業。
第5回写真「1_WALL」ファイナリスト、Culture Centre参加。
1978年 東京生まれ
2011年 第5回写真「1_WALL」ファイナリスト
2015年 個展「暗室から宇宙へ」ROCKET
清水裕貴
2007年武蔵野美術大学映像学科卒業。2011年第5回写真「1_WALL」グランプリ受賞。2016年三木淳賞受賞。2018年新潮社R18文学賞大賞受賞。土地の歴史や伝承のリサーチをベースにして、写真と言葉を組み合わせて風景を表現している。近年は小説も発表。船橋に予約制ギャラリー tide/poolをオープン
。tidepool429.tumblr.com
経歴
主な個展
2012 ホワイトサンズ(ガーディアンガーデン)
2014 mayim mayim(NEW ACCIDENT)
2014 mayim mayim(UNDO)
2016 熊を殺す(Nikon salon)
2018 わたしの怪物(Kanzan gallery)
2019 地の巣へ(Nikon salon)
2019 誕生日の海岸(tide/pool)
2019 birthday beach(nap gallery)
2019 empty park(PGI)
主なグループ展
2011 第5回写真「1_WALL」展(ガーディアンガーデン)
2014 西根ナーレ 2014(山形)
2015 中之条ビエンナーレ(群馬)
2017 創造海岸いなげ展(稲毛市民ギャラリー)
2017 中之条ビエンナーレ(群馬)
出版
2019 小説「ここは夜の水のほとり」 新潮社
丸山勇樹
1986年生まれ。
日本映画学校卒業。セツ・モードセミナー在学。
審査員(50音順、敬称略)
有山達也(アートディレクター・グラフィックデザイナー)
小林紀晴(写真家・作家)
1968年長野県生まれ。東京工芸大学短期大学部写真科卒業。新聞社カメラマンを経て、1991年よりフリーランス。’97年『DAYS ASIA』で日本写真協会新人賞受賞。現在、雑誌、広告、CM、執筆などボーダレスに活動。写真集に『はなはねに』、『SUWA』、『days new york』、『homeland』など。
鈴木理策(写真家)
1963年和歌山県新宮市生まれ。2000年に写真集『PILES OF TIME』で第25回木村伊兵衛写真賞受賞。近著に『Water Mirror』(Case Publishing/日本芸術写真協会)、『SAKURA』(edition nord)、『Étude』(SUPER LABO)、『海と山のあいだ』(amanasalto)、『意識の流れ』(edition nord)、『Atelier of Cézanne』(Nazraeli Press)等。
姫野希美(赤々舎代表取締役 ディレクター)
2006 年に赤々舎を設立。写真集、美術書を中心に200冊余りの書籍を刊行。第33回木村伊兵衛写真賞の志賀理江子『CANARY』、岡田敦『I am』、第34回同賞の 浅田政志『浅田家』、第35回同賞の高木こずえ『MID』『GROUND』、第38回同賞の百々新『対岸』、第40回同賞の石川竜一『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』、第43 回同賞の藤岡亜弥『川はゆく』などがある。2018年より大阪芸術大学教授。
光田ゆり(美術評論家)
美術館学芸員。京都大学文学部卒業。著書『高松次郎 言葉ともの ―日本の現代美術1961-72』(水声社)を刊行。ほかに『写真、芸術との界面に』(青弓社、日本写真協会賞)、『野島康三写真集』(赤々舎)、『大辻清司 出会いとコラボレーション』(共著、フィルムアート社)などがある。