ガーディアン・ガーデンでは、個展開催の権利をかけた公募展、第23回写真「1_WALL」展を開催します。ポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話をする二次審査を通過したファイナリスト5名が、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展です。会期中に開かれる公開最終審査会で、ファイナリストによるプレゼンテーションの後、審査員による議論を経て、グランプリが決定します。グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利と、個展制作費30万円が贈られます。
県境付近で生まれ育った香取声は、境界線をテーマに約13時間に及ぶ映像の記録を制作。自らの体験から信仰とは何かを考え寺やカイラス山を撮影する木原千裕。多摩川で出会った人たちを被写体にしたポートレート作品をつくる佐久間靖浩。故郷の中国にある祖父の家を撮影した曾迪生。そして、石を撮影しそれにまつわる信仰や伝説を考える長谷川愛実。以上5名によるグループ展です。
VIDEO
香取声 Sei Katori
1998年生まれ。法政大学国際文化学部卒業。
「あの頃、タカシの車で」
このパンデミックは人々に改めて県境の存在を意識させたように思う。しかし、県境で一体何が変わるだろうか? 幼少期の記憶を手がかりに県境を可視化する試みとその記録。
木原千裕 Chihiro Kihara
1985年生まれ。同志社大学社会学部教育文化学科卒業。
「Circuit」
それでも犀の角のようにただ独り歩み、対象それ自体と向き合うこの回路は私と私以外にすべての繋がりがあるように開かれていた。
佐久間靖浩 Yasuhiro Sakuma
1991年生まれ。日本写真映像専門学校卒業。
「白い流路に立っていて」
言葉や身体によって隔てられた区域の、どちらとも言えない名もない流路で、多摩川の水面で一瞬揺れて消えた魚の像のように、わたしたちの存在は揺らぎつづけている。
曾迪生 Disheng Zeng
1995年生まれ。東京綜合写真専門学校在籍。
「Distant echo」
「Distant echo」とは、「遠い響き」という意味だ。写真で「家」に対する漠然とした印象と現実に再び見た風景を「遠い響き」のように表現した。
長谷川愛実 Manami Hasegawa
1993年生まれ。東京工芸大学写真学科卒業。
「石を綯う」
2万4千年前に流れ着いた石は伝説や信仰を纏いながらそこにある。
その石について撮影することは昔の人が石に伝説、信仰などの意味をつけた事と似ていると思えた。
1998年 東京都町田市生まれ
2021年 法政大学国際文化学部卒業
人間と社会の関係性、あるいは「故郷」といったものをテーマに、ドキュメンタリーやパフォーマンスの手法を用いて制作を行う。
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木原千裕
1985年福岡県生まれ
同志社大学社会学部教育文化学科卒業
2021年 第1回ふげん社写真賞 グランプリ
2021年 第23回写真「1_WALL」グランプリ
2018年 塩竈フォトフェスティバル写真賞 特別賞
1991年 大阪府生まれ
2013年 日本写真映像専門学校卒業
受賞:
2018年 第18回写真「1_WALL」審査員奨励賞(増田玲選)
2021年 第23回写真「1_WALL」ファイナリ...
1995年 中国広州市生まれ
2017年 広州大学音楽学科卒業
2021年 東京綜合写真専門学校(在学)
2021年 第23回写真「1_WALL」ファイナ...
長谷川愛実
1993年生まれ。東京工芸大学写真学科卒業。
審査員 (50音順、敬称略)
小原真史 (キュレーター)
IZU PHOTO MUSEUM 研究員として荒木経惟展、宮崎学展、増山たづ子展などを担当。そのほか「イッツ・ア・スモールワールド 帝国の祭典と人間の展示」展がある。監督作に「カメラになった男 写真家中平卓馬」。重森弘淹写真評論賞、日本写真協会賞学芸賞などを受賞。東京工芸大学准教授、神奈川大学ほか非常勤講師。
高橋朗 (PGIギャラリーディレクター)
1976年千葉県生まれ。平木収氏に師事。在学中、東川町国際写真フェスティバルにボランティアとして参加。2003年から2010年まで同フェスティバル現場制作指導/アシスタントディレクターを務める。1998年からPGIにて写真の保存・展示業務に携わる。現在PGIのディレクターとして展覧会の企画運営を担当。
田中義久 (グラフィックデザイナー/美術家)
1980年生まれ。主な仕事に東京都写真美術館をはじめとした文化施設のVI計画、ブックショップ「POST」、「The Tokyo Art Book Fair」などのアートディレクションや、アーティストの作品集制作も定期的に行なっている。飯田竜太(彫刻家)とのアーティストデュオ「Nerhol」としても活動。
津田直 (写真家)
1976年神戸生まれ。世界を旅し、ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている。
2001年より国内外で多数の展覧会を中心に活動。 作品集に『SMOKE LINE』、『Storm Last Night』(共に赤々舎)、
『Elnias Forest』、『やがて、鹿は人となる/やがて、人は鹿となる』(共にhandpicked)など。大阪芸術大学客員教授。
野口里佳 (写真家)
1971年生まれ。さいたま市出身。那覇市在住。
1992年より写真作品の制作を始め、以来国内外で展覧会を中心に活動。近年は現代美術の国際展にも数多く参加している。東京国立近代美術館、国立国際美術館、グッゲンハイム美術館、ポンピドゥセンターなどに作品がコレクションされている。