ガーディアン・ガーデンでは、個展開催の権利をかけた公募展、第25回写真「1_WALL」展を開催します。ポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話をする二次審査を通過したファイナリスト5名が、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展です。会期中の8月31日(水)には、最終審査会を開催します。ファイナリストによるプレゼンテーションの後、審査員による議論を経て、グランプリが決定します。グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利と、個展制作費30万円が贈られます。
建て替え予定の実家を舞台に、空間の喪失と忘却への抵抗を映像にした阿部修一郎。生まれ育った和歌山の村の文化や姿と向き合い撮影する事で、社会の在るべき姿を問いかける岡崎ひなた。自身が暮らす三重の山神信仰と風景の関係性を、聞き取りと撮影によって探る荻野良樹。地元中国北西部の急速な経済発展により形成された、都市と砂漠の矛盾を孕んだ景観を捉える昝家祺。社会との感覚の揺らぎに着目し、何気ない日常の細部に現れる自己の一面をポートレートで記録する本吉映理。今回の「1_WALL」展は、以上5 名によるグループ展です。
尚、2009年よりこれまで開催してきた「1_WALL」は、本展の第25回をもって終了いたします。最後の「1_WALL」展、ぜひ会場に足をお運びいただければ幸いです。
阿部修一郎 Shuichiro Abe
1996年生まれ。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。
「Hear the Place Sings」
何かが失われようとしている。しかしいったい、何が?建て替え予定の実家を舞台に撮影された本作は、やがて訪れる空間の喪失と、それに伴う忘却への抗いである。
岡崎ひなた Hinata Okazaki
2002年生まれ。日本写真映像専門学校写真コミュニケーション学科写真表現コース在籍。
「水面にカゲロウ」
近代化が進む中、今まで私たちの周りにあった何かが消えようとしています。私たち日本人の中にある忘れてはいけないものをもう一度見直す必要があるのではないでしょうか。
荻野良樹 Yoshiki Ogino
1987年生まれ。
「黄色い砂を探して」
山から下りた山神はどこに宿るのか。山神が祀られている地域で、聞き取りと撮影を行い信仰と風景の関係性を探る。
昝家祺 Zan Jiaqi
1995年生まれ。東京造形大学大学院デザイン研究領域在籍。
「Desert City」
中国北西部の急速な経済発展により、人々が農村から新しい大都市へ移住させられました。新しい都市の端にある半砂漠の風景は、矛盾を孕んだ現代社会の景観でもあります。
本吉映理 Eiri Motoyoshi
1986年生まれ。日本体育大学卒業。
「is becoming」
目にしたとしてもすぐに通り過ぎてしまうことのできる取り留めのない日々は、私や彼らが確かに一つずつ選び続けた意思と、その重なりの先にあるものなのだ。
1996年 青森県生まれ
2020年 筑波大学 社会・国際学群 国際総合学類卒業
2022年 東京大学大学院 学際情報学府 修士課程修了
2002年生まれ。
日本写真映像専門学校
写真コミュニケーション学科写真表現コース卒業
写真塾アトリエリッケンバッカー所属
2019年 第26回全国高等学校写真選手権大会 優勝
...
1987年生まれ。
略歴:
2021 第23回写真「1_WALL」審査員奨励賞(高橋朗選)
2022 第25回写真「1_WALL」ファイナリスト
1995年 中国寧夏回族自治区生まれ。
東京造形大学大学院デザイン研究領域在籍。
EXHIBITIONS
2022 「第25回1wall写真ファイナリスト写真展」Guardian Garde...
1986年 千葉県生まれ
2010年 日本体育大学体育学部体育学科 卒業
2018年 平野太呂氏に師事
第24回写真「1_WALL」展 ファイナリスト
第25回写真「1_WALL」展 ファ...
審査員(50音順、敬称略)
小原真史(キュレーター)
IZU PHOTO MUSEUM 研究員として荒木経惟展、宮崎学展、増山たづ子展などを担当。そのほか「イッツ・ア・スモールワールド 帝国の祭典と人間の展示」展がある。監督作に「カメラになった男 写真家中平卓馬」。重森弘淹写真評論賞、日本写真協会賞学芸賞などを受賞。東京工芸大学准教授、神奈川大学ほか非常勤講師。
須山悠里(デザイナー)
1983年生れ。主な仕事に、エレン・フライス『エレンの日記』(アダチプレス)、鈴木理策『知覚の感光板』(赤々舎)、「長島有里枝 そしてひとつまみの皮肉と、愛を少々。」(東京都写真美術館)、「マーク・マンダース―マーク・マンダースの不在」(東京都現代美術館)など。
高橋朗(PGIギャラリーディレクター)
1976年千葉県生まれ。平木収氏に師事。在学中、東川町国際写真フェスティバルにボランティアとして参加。2003年から2010年まで同フェスティバル現場制作指導/アシスタントディレクターを務める。1998年からPGIにて写真の保存・展示業務に携わる。現在PGIのディレクターとして展覧会の企画運営を担当。
津田直(写真家)
1976年神戸生まれ。世界を旅し、ファインダーを通して古代より綿々と続く、人と自然との関わりを翻訳し続けている。
2001年より国内外で多数の展覧会を中心に活動。 作品集に『SMOKE LINE』、『Storm Last Night』(共に赤々舎)、
『Elnias Forest』、『やがて、鹿は人となる/やがて、人は鹿となる』(共にhandpicked)など。大阪芸術大学客員教授。
野口里佳(写真家)
1971年生まれ。さいたま市出身。那覇市在住。
1992年より写真作品の制作を始め、以来国内外で展覧会を中心に活動。近年は現代美術の国際展にも数多く参加している。東京国立近代美術館、国立国際美術館、グッゲンハイム美術館、ポンピドゥセンターなどに作品がコレクションされている。