第3回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展
バカバカしくも愛おしい、強烈でパワフルなサカキバラワールド
榊原美土里は、自身のおじいさんをモデルにしたパワーあふれる作品が評価され、第3回「1_WALL」でグランプリを受賞しました。「1_WALL」展では動く立体作品に果敢に挑戦するも不完全な展示に終わりましたが、「稀に見る色彩感覚に脱帽。見た人を元気にしてしまう強烈なエネルギーと、我が道を行く異端児的なところが魅力」と審査員の注目を集め、今後のポテンシャルが高く評価されての受賞でした。
「滑稽でバカバカしいかもしれないけれど、自分にとって愛おしいものを描いています」という榊原。色鮮やかな厚紙や色紙に油性ペンで描かれた絵は、時には切り抜かれて「メンコ」となり、時には意表を突いた組み合わせで連結され「おでんドラゴン」に。ハトメで繋がれた可動式の「ヨガじじい」は窮屈そうに袋にパッケージされ、ふんどし姿のおじいさんは大胆な色遣いとほっそりとした線で意味深長に描かれ、独特の存在感を放ちます。幼少期から大好きだったという人形遊びやお絵かきを楽しむのと同じ感覚で、自由に伸びやかに制作をする榊原。初個展となる今回のグランプリ受賞者個展では、見る側の心に飛び込んでくるサカキバラワールドが力強く会場いっぱいに展開します。
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展示によせて
こんにちは、榊原です。
私は楽しい人生をおくりたいです。楽しく生きるために楽しいことを考えるようにしています。この作品たちは私の考えの一部です。私の考えていることでみなさんも楽しんで頂けると、より私の人生は楽しくなります。だから、また作品を作りたくなるのです。
作品に意味はあるのかもしれないし、ないのかもしれない。
ただ、みなさんが作品を見て笑顔になったらその作品には意味があったことになります。
そういう作品をずっと作っていたいと思っています。
私の愛すべきバカ作品たちをとくとご覧あれ!
榊原美土里
審査員より
「自分が楽しいことはまわりもきっと楽しいはず」という妄想を出発点として、彼女はコツコツと作り始める。隣の人が、友達が、自分に近いまわりの人達が喜んでくれることが、ただただうれしいのだ。アートだ、デザインだ、という枠組みなんて気にしてない。さあ、榊原美土里よ、「喜び」と「パワー」と「筋肉」をバッグに詰めて街へ行け。今日も明日も明後日も街々を照らし、人々に力を与えよ。いまこそ世の中はあなたを必要としている。
有山達也(アートディレクター・グラフィックデザイナー)
第3回グラフィック「1_WALL」展
2010年8月23日(月)~ 9月16日(木)開催
公開最終審査会 2010年9月2日(木)
以下の審査員により、榊原美土里さんがグランプリに選出されました。
[審査員]
有山達也(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
大塚いちお(イラストレーター、アートディレクター)
佐野研二郎(アートディレクター)
成田久(アートディレクター、アーティスト)
平林奈緒美(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
※五十音順・敬称略
第3回グラフィック「1_WALL」展の情報はこちら