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展覧会・イベント

第25回写真「1_WALL」グランプリ受賞者個展

岡﨑ひなた展「空蝉ミ種子万里ヲ見タ。」

  • 会期:2023.5.23 火 - 6.24 土
  • 時間:11:00a.m.-7:00p.m.
  • 日曜休館 入場無料

    *6.9 金 はトークイベント準備のため、ギャラリーの開館は6:00p.m.までとなりますのでご了承ください。

岡﨑ひなたは、自身が生まれ育った和歌山県の人口1942人の小さな村を撮影し、都市化によって失われつつあるものにフォーカスした「水面にカゲロウ」で、第25回写真「1_WALL」グランプリを受賞しました。審査員からは言葉を超えた魅力を持つ写真の力強さや、写真を的確に選ぶ力が評価されました。

本展では、村の祭りで流鏑馬に使われる馬の口元、お盆飾りを燃やす人、初泳ぎに人々が集まる様子、朝焼けを背に蟹を抱え上げる漁師、廻しを締め祭りに向かう子供など、自身が生まれ育った村や、その周辺の村で暮らす人々の日常を撮影した写真を展示します。岡﨑の写真からは、今も人々の生活の中に日本古来の文化や信仰心が根付いており、山や海、森、川、生き物から恵みを受け、共有し助け合いながら生活している様子をうかがい知ることができます。変わり続ける都市と、変わらない文化が残る村の両方を知った岡﨑は、日本古来の文化を再認識し、村の現在を写すことで、自身が重んじている文化を後世に残すことを試みます。

また、会期中6月9日(金)には、写真家の津田直さんをゲストに迎え、トークイベントを開催します。グランプリ受賞から約1年後の個展を、ぜひご覧ください。

会場映像

岡﨑ひなた

2002年生まれ。 日本写真映像専門学校 写真コミュニケーション学科写真表現コース卒業 写真塾アトリエリッケンバッカー所属 2019年 第26回全国高等学校写真選手権大会 優勝 ...

展示に寄せて

今もまさに世界中で一過性を含む事象が起こり続けている。
その時々に私は神様の気配を感じ、写真というツールを用いてそれらに触れる。
現在、変化する不変をテーマに、自身の故郷である和歌山県の過疎地域にフォーカスをあて、制作を行っている。

潮と緑の香りは在るべき形と在って欲しい形を風に乗せ私の所に連れてくる。
土地から命を貰いそれらを分け合い資本にも変換する、この複合的な営み。

獣、植物、人、魚、海、山……万物は何を見て何処に行くのか。

時代性を踏まえ形を変えなければ淘汰される現状と守らなければいけない在り方。
この様に今大切なものが少しずつ変容し姿を変えつつある。変化と普遍の狭間から、私はイメージと事実を写真を用い声明する。

岡﨑ひなた
 

審査員より

2009年から続いてきた「1_WALL」展の最後のグランプリを飾ることになったのは、20歳で最年少受賞者となった岡崎ひなたである。古くからの風習や祭祀が残る和歌山県の山村から写真を学ぶために都市部へと出たことが岡崎が住み慣れた故郷を見直す契機となったという。そのレンズが向けられるのは、山や川、海と結びついた共同体における日々の営みであり、神仏や祖先との紐帯を維持しながら生きる人々の姿である。一瞬を捉えたスナップ写真の中に、その場所に積層してきた過去の時間もが二重写しとなって幻視できるかのようだ。リニアな時間軸が揺らぎ、ふと別の時間が侵入してくるような瞬間を巧みに捉えているとも言えるかもしれない。一つのイメージをそこにはない別のイメージに連結させる技量は、老練なスナップシューターのようにも見えるが、「1_WALL」が求めてきた「これからの人」でもある。

小原真史(キュレーター)

主催:ガーディアン・ガーデン