3rd 野 鳩



「野 鳩」
稽古場レポート

「お花畑でつかまえて…」

いつも見かけるカワイイあの娘。 友だちと話す笑顔がまぶしくて、何度も何度も見てしまう。
春風の様に校門や人波を抜けて、さわやかに校舎の中へ。下駄箱を開けば、今日も大量のラブレターが滝のように流れ落ちてる…。
友だちの手前、ちょっぴり困って微笑んで、教室へ消えてゆくあの娘。
心も体も成長して、大人の階段のぼる途中。
苦しくて切なくてセンチメンタル。夕焼けのなか、たそがれて、独り胸さわぎの放課後。雨上がりの水たまりをよけては跳ね、よけては跳ね。
そんなことしてる間に、あの娘は先に行ってしまう。…追いつけないや。でも、明日はきっと追いつき追い越してみせるんだから。
きっとそうしてみせるんだから。 後ろ姿も、…カワイイな。



2001年から阿佐ヶ谷の民家風劇場を中心にゆっくりと活動開始。読み切りマンガみたいなチープでわかりやすいストーリー、
記号的でキャッチ−な演技が得意。
毎回、思春期中学生の恋愛や性や様々な欲望などをすこしふしぎ(SF)にお届けする。毎日制服を着ていたあの頃の、甘酸っぱさや切なさが、
訛りの効いた方言セリフに乗ってハートに「キュン」と響くような。お菓子に例えるならその懐かしさはまるでチェルシー。
二十代後半の人達による大変フレッシュな劇団です。


●作・演出/水谷圭一 ●出演/佐伯さち子 畑田晋事 堀口聡 村井亮介 菅谷和美 山田桐子 水谷圭一 ほか ●照明/増田純一 ●舞台美術/仁平祐也 
●舞台監督/海老澤栄 ●音響/中村嘉宏(atSound) ●小道具/中島香奈子 ●イラスト/ル・カバコ ●宣伝美術/水谷圭一 畑田晋事 ●制作/山下千春



公演日程
3月4日(金)20:00/20:00  
3月5日(土)15:00/20:00  
3月6日(日)14:00/18:00
前売券2,000円(日時指定・自由席) 当日券2,200円

※上演時間は1時間15分くらいの予定です。
お問い合わせ/090-9134-2415 E-mail nobato_@hotmail.com http://f32.aaa.livedoor.jp/~nobato/



至って素朴だ。どこかの田舎の男子中学生の芝居の如く(田舎のチュー坊が芝居をやるかどうかは別として)。
それは昨今の漫画界でさえとんとお目にかかれぬほどマンガチックでもある。
しかし我等は素朴さに癒されたいのか? 否。彼らは単なる「鳩」に非ず、「野鳩」である。
「素朴」の皮下に脈打つ「野生の思考」が小さな炸裂を繰り返すのを見逃すな!
さらば、薬にも毒にもならない平和なる演劇たち。これからは、薬に見せかけて実は強い毒を放つ「野鳩」の時代だ!
ウニタモミイチ(演劇エッセイスト)