漂流。彼は決して一カ所にとどまらない。
箭内道彦。クリエイティブディレクター。アートディレクター。CMプランナー。CMディレクター。プロデューサー。広告クリエイティブの職域を自由自在に横断しながら、タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE」、富士フイルム「PHOTO IS」、資生堂「uno」等といった話題のキャンペーンを次々に世に送り出すクリエイター。
しかし彼はいわゆる「広告クリエイター」という場所にすら、とどまろうとはしない。フリーペーパー「月刊 風とロック」の編集・発行、裏原宿のショップ&ギャラリーの展開、音楽イベントの開催、ラジオパーソナリティ、ミュージシャンとの音楽活動、多数の連載執筆……。停滞や安定とは真逆の方向へ漂流を続ける箭内道彦。広告が時代の流れを読むクリエイションだとすると、彼は岸に立ってその流れを俯瞰しない。流れの中に進み、身を置きながら、自ら流れ、流されることを選び続けるだろう。――――そう。風の向くままに。コミュニケーションの新しい可能性に向かって。
誰かになにかを伝えることすべてを「広告」として捉え、広告の既成概念を壊し、リアルタイムなコミュニケーションを常に模索しながら、広告界に新しい風を吹き込み続けようとする箭内氏。初個展となる本展では、クリエイティブディレクター箭内道彦氏の活動やその発想、背景を紹介しながら、氏の魅力に迫ります。アーティスト鈴木康広氏による展示空間演出にもご注目ください。
展示内容
1990年に博報堂入社後、2003年独立。風とロックを設立し、現在に至るまでに手掛けたコマーシャルフイルム、プロモーションビデオ、ポスター、エディトリアルなどを中心に展示、また近年さらに活動の範囲を広げる箭内氏の取り組みやメッセージを紹介しながら、クリエイティブディレクター箭内道彦の全貌に迫ります。
また、風とロック渋谷パルコ店(2/14まで開催)に続き、G8内に、ショップ「風とロック銀座店」をオープンします。