シンプルで明快、そしてフラットな形と色面のデザインが印象的な中村至男。
ソニー・ミュージックエンタテインメント在籍中(1990-1997)に、同社からデビューした明和電機の一連のグラフィックを手がけ、世の中に鮮烈な印象を与えました。さらに、PlayStationゲーム「I.Q」、NHKみんなのうた「テトペッテンソン」、「勝手に広告」など、佐藤雅彦氏と組んだプロジェクトの数々をはじめ、日本科学未来館コンセプトブック、雑誌「広告批評」(1999)、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」のメインビジュアルを手がけるなど、グラフィックデザイナーとして独自のスタンスで活動を続けています。
そして近年、初めての絵本『どっとこ どうぶつえん』が、イタリアのボローニャ・ラガッツィ賞優秀賞を受賞。優れた絵本の作り手として高く評価され、「みること」「わかること」の楽しさを、世界中の子どもたちに届けています。
中村至男の初めての個展となる本展では、新作に加え、これまでまとめて見ることのなかった25年を超えるデザインワークを一挙にご紹介します。1990年代から今に至るまで、中村作品が持つユニークな強さと、コンセプチュアルかつナンセンスな世界を、ぜひ会場でお楽しみください。
1. 「大アート展」ポスター 1995
2. 「CLOSE-UP OF JAPAN」ポスター 1995
3. 明和電機「ツクバ展」ポスター 1996
4. PlayStationゲーム「I.Q Intelligent Qube」 1997 ©Sony Computer Entertainment Inc.
5. 携帯電話サイト「うごく-ID」 2000
6. TDC BCCKS「 Twin Universe」 2007
7. 『7:14』 2010-2011
8. 松山市立子規記念博物館 2013
9. 絵本『 どっとこ どうぶつえん』 2012
10. 絵本『はかせのふしぎなプール』 2015
11. 21_21 DESIGN SIGHT「単位展」ポスター 2015
Norio Nakamura
アートディレクター/グラフィックデザイナー。
川崎市生まれ。日本大学藝術学部卒業、同年CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)入社。1997年よりフリーランス。主な仕事に、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」、銀座メゾンエルメスのウインドウディスプレイ、松山市立子規記念博物館、日本科学未来館、『広告批評』(1999年)、アートユニット「明和電機」のグラフィックデザイン、佐藤雅彦氏とのプロジェクトとして、PlayStation「I.Q」やNHKみんなのうた「テトペッテンソン」など。著書に、絵本『どっとこどうぶつえん』(福音館書店)、『勝手に広告』(佐藤雅彦と共著・マガジンハウス)、『明和電機の広告デザイン』(土佐信道と共著・NTT出版)、『7:14』など。『どっとこどうぶつえん』で、ボローニャ・ラガッツィ賞優秀賞。
展示内容
本展のために作りおこした新作に加え、90年代、PlayStation「I.Q」や「明和電機」のグラフィックから、近年の、絵本『どっとこ どうぶつえん』、『はかせのふしぎなプール』、21_21 DESIGN SIGHT 「単位展」まで、25年を超えるデザインワークを紹介します。