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展覧会・イベント

タイムトンネルシリーズ Vol.7

亀倉雄策 1915-1997 昭和のグラフィックデザインをつくった男

  • 会期:1998.5.11 月 - 6.5 金
  • 時間:11:00a.m.-7:00p.m.(最終日は4:00p.m.まで) 土曜・日曜・祝日休館 入場無料

昨年5月11日に急逝したグラフィックデザイナー亀倉雄策。彼はまだ日本に「デザイン」という概念がなかった時代から、原野に道を拓くかのごとく活躍してきました。明治チョコレートのパッケージ、東京オリンピックのポスター、NTTのシンボルマークなど、多くの名作を生んだのはもちろん、社会におけるデザイナーの地位向上に対しても、様々な形で貢献してきました。この展覧会は、デザイナーという仕事を誰よりも愛し、82歳まで現役として活躍した彼への追悼の気持ちをこめて開催するものです。
「同時代を生きた43人のメッセージ」
クリエイションギャラリーG8では、同世代から若手まで、亀倉雄策と時代を共にしてきた内外43人のグラフィックデザイナーやアートディレクター、イラストレーターたちが、亀倉に対するそれぞれの思いを、作品とエッセイで綴ったものを紹介します。
「少年図案家から東京オリンピックポスターまで」
ガーディアン・ガーデンでは、亀倉雄策の知られざる青春時代にスポットを当て、そのスタイルが完成するまでを振り返ります。13歳でカッサンドルのポスターに衝撃を受けた彼のキャリアは、10代の終わりに広告事務所の「少年図案家」募集に応募、採用された日に始まります。処女作であるサン-テグジュペリ著『夜間飛行』の装幀や、戦前・戦後の日本工房での外地向け宣伝誌のデザイン、戦後のイラストレーション中心のポスターなど、これまであまり目にすることのなかった作品を数多く展示いたします。
2つの会場を通して、亀倉雄策のデザインの本質やその人となりを、時代背景と共にお伝えできればと思います。

亀倉雄策

グラフィックデザイナー。1915年4月6日新潟県生まれ。1933年日大二中を卒業し、太田英茂主宰の共同広告事務所に勤務。1938年日本工房に入社し、「NIPPON」や「カウパープ」など対外宣伝誌のアートディレクションを手がける。1951年日宣美設立に参画。1960年日本デザインセンター設立に参画し専務取締役となるが、1962年に独立して亀倉デザイン研究所を設立。朝日賞、毎日芸術賞をはじめとする内外の多くの賞を受賞。1980年紫綬褒章受章、1991年文化功労者に選ばれる。1993年ニューヨークADCの“Hall of Fame”(殿堂)入りを果たし、1994年ワルシャワ美術アカデミー初の名誉博士号を授かる。日本グラフィックデザイナー協会会長を、1978年設立時より16年務めた。1997年5月11日急性肺炎のため永眠。代表作に、東京オリンピック、大阪万博、名古屋デザイン博、ヒロシマ・アピールズのポスターや、グッドデザイン、NTT、ニコン、ヤマギワのシンボルマーク・ロゴタイプがある。

展示内容
クリエイションギャラリーG8
「同時代を生きた43人のメッセージ」
良きライバル、仲間、あるいは後輩として共に刺激しあってきたグラフィックデザイナーやアートディレクター、あるいは亀倉の作品制作に携わったイラストレーターなど、内外43人のクリエイターが、亀倉雄策への思いを作品とエッセイで綴ります。ぜひ2会場あわせてご覧ください。

ガーディアン・ガーデン「少年図案家から東京オリンピックポスターまで」
「少年図案家」としてのスタートから、世界にその名を知らしめた「東京オリンピックポスター」をてがけるまで、30年間の仕事を振り返ります。
・デザイナーとしての処女作、サン-テグジュペリ著『夜間飛行』の装幀(1934年)
・日本工房(のちの国際報道工芸)時代の外地向け宣伝誌のデザイン(1938-1945年)
・終戦後の仕事、「婦人画報」のデザインやイラストを主に使ったポスター(1940年代)
・日本光学(ニコン)一連のポスター(1950年代)
・東京オリンピックのポスター(1960年代)など

クリエイション21号 執筆陣とテーマ

木島俊介/ 亀倉雄策のデザイン
オルガー・マチス/雄策に捧ぐ
柏木 博/東京オリンピックのデザイン
細谷 巖/亀倉先生とスキー
多田美波/ヤマギワ一連の仕事
勅使河原宏/草月と亀倉雄策の仕事
イタロ・ルピ/クロスカルチャースキーヤー 亀倉雄策
谷口吉生/亀倉さんのこと
永井一正/初期ニコンのデザイン
田中一光/亀倉雄策のブックデザイン
石元泰博/写真家として接した亀倉雄策)
早川良雄/’45〜’55年頃までの仕事
福田繁雄/イラストレーション55派
土屋耕一/明治ミルクチョコレートは、永遠に。

ルウ・ドーフスマン/グラフィックデザインの巨人、亀倉雄策
中西元男/マーク、シンボルこそグラフィックデザインの真髄

「クリエイション21号 亀倉雄策追悼特別号」出版
亀倉雄策が責任編集したデザイン誌「クリエイション」。1989年より5年間、20号にわたって発 行されたこの雑誌は、亀倉のライフワークともいえるシリーズで、世界の優れたグラフィックデザイナー、 イラストレーターら144組の作品を紹介しています。編集者として客観的でありたいという本人の意志により、この中に収められることのなかった亀倉自身の作品を、グラフィックデザイナー3人が選り すぐり、追悼特別号としてまとめました。「グラフィックデザインの芸術性を世に問う」という編集思想そのままに、亀倉雄策の「クリエイション」を凝縮させた1冊です。時代を超える力をもったデザインの数々が、今ここによみがえります。
編集委員:田中一光、永井一正、福田繁雄
デザイン:亀倉デザイン研究室
印刷:凸版印刷株式会社
体裁:天地300×左右225㎜、172ページ、オールカラー、ソフトカバー、図版338点、英和文表記
定価:3,200円(税別)
発売日:1998年4月1日
発売:株式会社六耀社(販売に関するお問い合わせ先:03-3354-4020)
発行:株式会社リクルート(内容に関するお問い合わせ先:03-3575-7074)

タイムトンネルシリーズ No.7亀倉雄策
同時代を生きた50人の亀倉へ贈る作品とエッセイを収録したオマージュ作品集。 あわせて、本人が執筆した文章をもとに、グラフィックデザイナー亀倉雄策の本質に迫ります。幼少時代から、少年図案家としてのスタート、一般 大衆に広くグラフィックデザインを知らしめることとなった、東京オリンピックポスターの制作秘話などを時代に沿ってまとめました。
価格:3,000円(税別)
体裁:天地300×左右225mm、ソフトカバー、132ページ