The Second Stage at GG #24
ガーディアン・ガーデンでは、「The Second Stage at GG」シリーズ展第24弾を開催する運びとなりました。1990年に設立されたガーディアン・ガーデンも本年19年目を迎え、これまで数多くのクリエイターの発表の場となってまいりました。そして、その卒業生達がすでに各界で目覚ましい活躍を収めています。このシリーズは、『ひとつぼ展』を中心にしたそれら作家のその後の活動を伝える展覧会です。
第24弾ではヴィジュアルデザイナーの石川マサルをご紹介いたします。石川は、1999年東京藝術大学大学院修士デザイン科在学中に第13回『ひとつぼ展』に入選。その後、2001年に『ひとつぼ展』スカラシップ奨学生としてドイツに渡ります。ハノーバー専科大学で学んだ後にはミュンヘンのシーメンス社においてインターンシップ及び国際プロジェクトDesign lab2に日本人として初参加を果たし、同社とボグナー社がコラボレートした冬季限定携帯電話のグラフィックを手掛けます。2003年にはイタリア・ミラノに拠点を移し、企業ロゴや国際短編映画祭、国際シンポジウムのグラフィックを担当するなど、“Visual&Identity”をテーマに、企業・団体と社会とを繋ぐコミュニケーション活動をしてまいりました。そして、ついに2009年日本に凱旋。今後、これまでの経験を活かした国際レベルでの活躍が期待されています。
今回の展覧会は、ドイツとイタリアという言語の異なるふたつの文化をボーダレスに歩んできた石川の記念すべき帰国報告展になります。これまで手掛けてきた仕事をはじめとし、ドローイングや2008年に結成したデザインユニットmi e ruでのヴィジュアル作品、さらに昨年4月に開催されたミラノサローネサテリテで発表し商品化が決定した磁器のテーブルウェアなど、石川の多岐にわたる才能と今後の可能性の大きさを感じさせる展示内容です。ちなみに、タイトルの「CONNESSIONE」とは、“モノとモノを繋ぐ、関係、関連”という意味のイタリア語です。
展覧会によせて
「モナリザの本物見てくれば?」15歳の時に言われた母のひと言がきっかけで、ヨーロッパの地に降り立ちました。
初めての海外で感じた事、それは地球の反対側にも同じ青い空が広がり、公園にはハトがいること、淡々とここにも日常が存在しているということでした。見えない点と点が繋がってひとつのカタチを成すように、それから10年後、再びその地に立っていました。
ドイツとイタリアという異なる2つの文化に身を置きながら、いろんな人、モノに出会いました。さまざまな壁や困難に遭遇すると同時に、助けや優しさに触れました。このような経験を振り返ってみた時、見えてきたのが、イタリア語で関係や接続を意味する“CONNESSIONE(コネッシォーネ)”という言葉です。描く線、塗る色、湧き出るアイデアが、さらに人や社会を繋げて、新たな価値を生み出すことができればいい。そう強く願っています。
石川マサル
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