The Second Stage at GG #38
ガーディアン・ガーデンでは、「The Second Stage at GG」シリーズ第38弾を開催する運びとなりました。若手表現者を応援しようと1992年から2008年まで開催した公募展『ひとつぼ展』、2009年にスタートした「1_WALL」の入選者の中からは、各界で活躍する作家が数多く登場しています。このシリーズは、そうした卒業生たちのその後の活動を伝えるための展覧会です。
今回の第38弾では溝端貢をご紹介します。溝端は、自分で描いた絵の上に子供の落書きを重ねた「子供とのコラボレーションによる匿名的イラストレーション」で、2002年に開催された第20回グラフィックアート『ひとつぼ展』に入選後、株式会社アジールに所属。その後フリーとなり、現在はエディトリアルデザインなどを数多く手掛けるアートディレクター、デザイナーとして活躍しています。
本展では溝端自身が日常的に思考しているまだ形になる前の上澄みのような物たちに、ルールと行為という二つの要素を加えて成立する展覧会にチャレンジします。様々なアイデアから出来上がるポスターやプロダクトに鑑賞する為の単純なルールを設定し、それで遊んでもらうことで、他者とのコミュニケーションを誘発させるようなグラフィックを展示予定です。パズルを組み替えたり紙をちぎったり、会場で直接素材に触れながら作品と関わることで、本来そのものが持っている役割や背景から少し離れたところに隠れている、新たな出会いや体験が生まれるかもしれません。ぜひ会場でご覧ください。
作家挨拶
子供の原初的な好奇心から生まれる「遊び」のような行為に興味があります。手で触れられ、紙を破り、物を積み重ねたり崩したり、コントロールしきれないものが少しずつ輪郭を形作るようなものを作りたいと思っています。それは、咀嚼された分かりやすいものだけではなく、よく分からないものの中から何かを感じ取れるような目線の中に隠されているのかもしれません。
実際に鑑賞者が触れ、関与することができ、鑑賞者同士にコミュニケーションが生まれるような、完成された単体の「作品」ではないもの。例えば単なる遊びであったり、「ゲーム」になる以前のルールのない「遊び」、もしくは新しいゲーム性を持ったものなどの提案をしたいと考えています。デザイナーという職能から日頃考えていることや、仕事をして行く上での方法という方程式の中に、いつもの「仕事」ではなく今回の「作品」という違った数字を代入することででてくる答え。そのような作り方で出来たものを、純粋に遊んで頂けるように展示したいと思っています。
溝端貢
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主催:ガーディアン・ガーデン