The Second Stage at GG #28
ガーディアン・ガーデンでは、2010年2月1日よりThe Second Stage at GG#28 永沼敦子展「目くばせ」を開催します。
永沼敦子は、コンパクトデジタルカメラを体の一部のように自在に操り、電車内の光景を大胆なアングルで捉えた「ハエの狙い目」(後に「Bug Train」)で2002年第19回写真『ひとつぼ展』に入選しました。あたかも昆虫が空中を浮遊しているかのような新たな視覚を見せてくれた彼女のカメラは、その後海外の電車へも、街にも飛び出しました。
その永沼が、福島県の五色沼を訪れたことをきっかけに、自然界に漂う神秘的な力に引き込まれ、2009年2月には活動の拠点を東京から地元鹿児島に移し、九州の自然と向き合っています。そこでは、大自然を賛美し、自然界の決定的瞬間を狙うわけでもなく、自然界の光や音に反応し、その土地に生きる身近な自然の姿を捉えています。そして、様々なアングルで撮られた写真からは、目には見えない自然界からのサインに素直に応えようとする作家の姿が見えてきます。本展では、1年間鹿児島や宮崎で撮りためた作品を約40点展示します。
展示によせて
今年の桜島はとても活発だ。爆発的噴火400回を越えてしまった。
観測開始以降で最多だった85年以来という。
都市で唱えられている、上品なエコロジーという言葉を鼻で笑ってしまう。
癒しでもなく、母なる地球にはやはり破壊と創造の神がいるんだなと感じる。
人間が言葉を使い始める前、世界はどのようにつながっていたのだろう。
神話時代の異種婚姻。おそらく、自然界すべての生き物・植物たちの意思を人間は感じ取っていたはず。
そのころの力強さをよみがえらせる土地で、私はしたたかに生きる自然界たちが発するサインを拾い上げてみたい。
目に見えている事だけが、すべてではなく、確実にそこに漂っているものを。
そうすれば、きっと私たちはもっと力強く生きていけるかもしれない。
永沼敦子
*The Second Stage at GGとは
若手表現者を応援しようと1992年から始まった公募展『ひとつぼ展』は、昨年30回で終了し、’09年には「1_WALL」として新たなスタートを切りました。これまでの『ひとつぼ展』入選者計566名の中からは、各界で活躍をするクリエイターが数多く登場しています。このシリーズは、『ひとつぼ展』および「1_WALL」の入選者たちのその後の活躍を紹介する展覧会です。
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主催:ガーディアン・ガーデン