第1回グラフィック「1_WALL」グランプリ受賞者個展
ガーディアン・ガーデンでは、2010年6月7日から我喜屋位瑳務(がきやいさむ)展を開催いたします。彼は昨年開催された第1回グラフィック「1_WALL」において、グランプリを受賞し、一年の制作期間を経て今回の個展開催にいたりました。個展にあわせてパンフレットも制作し、会場で販売いたします。
狂気と滑稽が入り混じる世界をB級感たっぷりと描き出す
我喜屋位瑳務は、子供の頃に見ていたホラー映画やアクション映画にインスピレーションを得て、「狂気と滑稽」をテーマに絵を描いています。狂気の中にもフッと笑ってしまう滑稽さが潜む絵は、どこか意味深で想像力をかきたてられます。何も考えずにまず手を動かし、思いついたままに絵を仕上げていくという作品は、カラーインクやアクリル絵の具などで描くドローイングに始まり、雑誌の切り抜きや使用済みの封筒、伝票などを使ったコラージュに及びます。個展では、自分のことをひねくれているという彼らしく、上手い絵やかっこいい絵は意識せず、B級感満載で描いた膨大な作品の数々が会場を埋め尽くします。
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展示によせて
頭の中のものを言語に変換するのが苦手です。
だから人に見てもらうために描いています。
しかしまた、描いた絵もコラージュも出来上がってみると
何をどうしたかったのか自分でもよくわかりません。
でも、描いている間は楽しいし気持ちいいのです。
チチ松村の本で、人間は体からものを出すことは気持ちいいものです、と書いています。
僕は自分の中にある悪いものを出しています。
たとえば、起きたのが午後だったとき、なんだか罪悪感を感じます。
そのくらいのどうでもいいレベルの悪です。
たまにすごく良く描けたとき、疲労か興奮か
体が震え夜も眠れなくなることがあります。
そんなときはシャワーを浴びて出し切れなかった心の闇を洗い流すのです。
我喜屋位瑳務
審査員より
彼の絵は、まるでゴミ箱から生まれたポップアート、”Garbage Pop”かな。何を描いてもポップにしちゃう。ゴミ箱から拾ったゴミでさえポップにしてしまう。彼の絵の中には意味不明な、物体が良く現れる、文字を消された吹き出し(意味ないじゃん!)、人の頭なのか、石なのか、宇宙人なのか(本当は上手く描けないの?)まったく意味不明の塗りつぶし(単なる失敗?)、それらを描けば描く程、絵はアート的な難解さを増して、観客との溝を空けがちだが、彼の絵はそうならないところが凄い! 持ち前のバランス感覚で、ポップと難解さとを上手い具合に料理している。
ヒロ杉山(ENLIGHTENMENT/アートディレクター、アーティスト)
第1回グラフィック「1_WALL」展
2009年7月6日(月)~7月30日(木)開催
公開最終審査会 2009年7月9日(木)
以下の審査員により、我喜屋位瑳務さんがグランプリに選出されました。
[審査員]
小阪淳(美術家)
佐野研二郎(アートディレクター)
服部一成(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
平林奈緒美(アートディレクター、グラフィックデザイナー)
ヒロ杉山(アートディレクター、アーティスト)
※五十音順・敬称略
第1回グラフィック「1_WALL」展の情報はこちら