ガーディアン・ガーデンでは、個展開催の権利をかけた公募展、第19回写真「1_WALL」展を開催します。本展は、ポートフォリオ審査による一次審査と、一対一で審査員と対話をする二次審査を通過したファイナリスト6名が、一人一壁面を使って作品を発表するグループ展です。会期中の10月12日(金)には、一般見学者にも公開される最終審査会を開催します。ファイナリストによるプレゼンテーションの後、審査員による議論を経て、グランプリが決定します。グランプリ受賞者には、1年後の個展開催の権利、個展制作費20万円が贈られます。
日々変化する海に日常の次々と起こる出来事を重ね合わせ、撮影し続けた植田真紗美。新聞を素材にして、毎日1点、自室内で作品を完成させるH/N。見過ごしてしまうような風景を撮影する幸本紗奈。石油の枯渇と共に廃れていった故郷を大判カメラで撮影した田凱。1つの窓を境に、内と外の日々の光景を撮影する原麻里子。性別の曖昧さをポートレートで表現する円井テトラ。今回の「1_WALL」展は、以上6名によるグループ展示です。
植田真紗美 Masami Ueda
玉川大学文学部リベラルアーツ学科、日本写真芸術専門学校卒業。
「海へ」
想像することで現実を昇華した。これは「生」への物語。
H/N
1984年生まれ。
「PRIVATE VOYAGER」
日課にしている新聞の切り抜き作業から生まれたシリーズを発表します。
幸本紗奈 Sana Kohmoto
1990年生まれ。武蔵野美術大学映像学科卒業。
「遠い部屋、見えない都市へ」
所属せぬひと・到着者であり続けるための反復運動。よくわからない物事はいつでもある種の予感を含んでいる。遠い声、目配せに応えるように、沈黙の世界を構築する。
田凱 Den Gai
1984年生まれ。日本写真芸術専門学校卒業。
「生きてそこにいて」
この空っぽな町が、私の記憶の始まりだった。物事には終りがあると幼い日の記憶に刻んだ。同じ場所で生まれ育った人たちの様子を撮影し、多義的ノスタルジーは彼らの顔にも映る。
原麻里子 Mariko Hara
1982年生まれ。東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。
「picture window」
内と外の流れゆく光景 自然 環境 領域 希望 家族 そのままでいることは難しい 窓を目に その瞬間を見る
円井テトラ Tetra Marui
東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現領域博士後期課程修了。
「あなたとわたし」
人間の性には段階的な変化や濃淡があり、相手や状況により微妙に揺らぐ。
人間同士の関係を最小単位まで落としこむことで1対1の「あなたとわたし」という形になった。
植田真紗美
玉川大学文学部リベラルアーツ学科、日本写真芸術専門学校卒業。
平本成海
2017年よりグループ展などで作品を発表。第20回写真「1_WALL」グランプリ。近年、「PGI Summer Show 2019 "monoとtone"」(PGI | 東京)などの企画展に参加。
1984年生まれ、2006年来日。
日本写真芸術専門学校フォトクリティックゼミ卒業後、作品制作に取り組みながら、コマーシャルの仕事を東京、上海で行う。
東京在住。
2018年 第19回写真「...
1982年 東京都生まれ
2005年 東京造形大学デザイン学科環境計画専攻卒業
円井テトラ
東京藝術大学大学院美術研究科先端芸術表現領域博士後期課程修了。
審査員(50音順、敬称略)
沢山遼(美術批評家)
1982年生まれ。2007年、武蔵野美術大学大学院造形研究科修士課程修了。2009年「レイバー・ワーク──カール・アンドレにおける制作の概念」で『美術手帖』第14回芸術評論募集第一席。武蔵野美術大学、首都大学東京等非常勤講師。論文や雑誌などへの寄稿多数。
鈴木理策(写真家)
1963年和歌山県新宮市生まれ。2000年に写真集『PILES OF TIME』で第25回木村伊兵衛写真賞受賞。近著に『Water Mirror』(Case Publishing/日本芸術写真協会)、『SAKURA』(edition nord)、『Étude』(SUPER LABO)、『海と山のあいだ』(amanasalto)、『意識の流れ』(edition nord)、『Atelier of Cézanne』(Nazraeli Press)等。
田中義久(グラフィックデザイナー/美術家)
1980年生まれ。主な仕事に東京都写真美術館をはじめとした文化施設のVI計画、ブックショップ「POST」、「The Tokyo Art Book Fair」などのアートディレクションや、アーティストの作品集制作も定期的に行なっている。飯田竜太(彫刻家)とのアーティストデュオ「Nerhol」としても活動。
姫野希美(赤々舎代表取締役 ディレクター)
2006 年に赤々舎を設立。写真集、美術書を中心に200冊余りの書籍を刊行。第33回木村伊兵衛写真賞の志賀理江子『CANARY』、岡田敦『I am』、第34回同賞の 浅田政志『浅田家』、第35回同賞の高木こずえ『MID』『GROUND』、第38回同賞の百々新『対岸』、第40回同賞の石川竜一『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』、第43 回同賞の藤岡亜弥『川はゆく』などがある。2018年より大阪芸術大学教授。
増田玲(東京国立近代美術館主任研究員)
1968年神戸市生まれ。筑波大学大学院地域研究研究科修了。1992年より東京国立近代美術館に勤務。担当した主な展覧会に「ジョセフ・クーデルカ展」(2013年)、「奈良原一高 王国」(2014年)、「トーマス・ルフ展」(2016年) など。