1939年福井県生まれ。福井大学工学部在学中に写真を始める。工場の解体現場を大胆な画面構成でとらえた作品「KU」で、初めて応募した『カメラ芸術』に入選。1963年卒業後、ポーラ化粧品本舗に入社し、研究所に勤務(静岡)。翌年東京勤務となり、サラリーマン生活を送りながら、東京綜合写真専門学校夜間部に通う。1971年、浅草を撮りながら自分自身の中に潜む土俗的な部分に気づいた「自閉空間」で太陽賞を受賞。同年退社しフリーとなる。その延長でまとめた「俗神」(1969~1976年)、群れたがる日本人をとら えた「砂を数える」(1975~1990年)、粘り強く広島の被爆者を訪ね歩いた「ヒロシマ1945~1979」 などを撮る一方、写真はしょせん表層しかとらえられないのだという考えから、美しいゲイを撮った「青い花」(1972~1980年)、時の流れを確認するかのごとく風景や自分自身を定点観測した「ヒロシマ・モニュメント」(1975~1990年)や「Ageing」(1986年~)など、常に明快なコンセプトのもと、同時にいくつかのテーマを撮り分けていくスタイルで現在に至る。 また、双子の弟として生まれた自分自身への興味もつきない。現在は、壁崩壊後10年のベルリンなどを 撮影中。1978年伊奈信男賞、1984年日本写真協会年度賞、1986年J・C・J 奨励賞受賞。